GS美神×ネギま!

□幽霊少女登場!!その名は!?
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「それじゃあなにから教えようか……」



一通り自己紹介も終わった後、そう言って横島はチラリとグラウンドのほうへと視線を向けた。

そして徐に生徒たちに指示を出した。



「じゃあちょっとみんなグラウンドへ出てみようか」



1−Aの生徒たちが全員グラウンドへ姿を現したのを確認すると、横島はこれから行うことの説明を始めた。



「この中で今までに幽霊を見たことのある人や、科学では説明のできない事柄に出会ったことのある人はいるかな?」



横島のその問いに、何人かの生徒が手を上げる。

その中に当然千雨も含まれている。

それを確認し、横島はさらに説明を続ける。



「恐らくそういったことに出くわしていない人たちも、知識としてはあるはずだ。 

基本的に霊障と呼ばれるものに対しては、GSやオカルトGメンの出番となるのは知っているね?

この学校の霊能科に通う生徒たちは元々個人差はあるけどそういう現象に対する力を持っているんだ。

でも、そういった力を持っていない人たちにだっていきなり霊障は襲い掛かる」



そう言って横島はいったん言葉を区切る。



「じゃあもし君たちがいきなりそういう未知の出来事に出会ってしまったら、その時はまずどうしたらいいと思う?」



横島は生徒たちに考える時間を与え、しばらくしてから一人の少女を指名した。



「明石さん、君ならどうする?」


「はい、えーっと、警察とかに電話する、とかですか?」


「それも大事なことだな。 ICPOの超常犯罪課へまずは相談してみるといい。 

GSの中には高額な金銭を要求してくる人がいるかもしれないが、ICPOは公的機関だからその辺は安心していい。

でもまずはとっさの事態に陥ったときは、何よりも落ち着きを取り戻すことが大切なんだ」



横島はそう話しながら、生徒たちの顔を見回してみる。

そこから読み取れる表情は、『え、それってあたりまえじゃないの!?』といったところか。



「先生、それって当たり前のことなんじゃないですかー? 私たちも六女の生徒ですし、そのあたりはしっかり教えてもらってますけどー」



どこかからそんな声が上がった。

それに同意する声もちらほらと聞こえる。

だがさすがに超常現象を目の当たりにした事のある生徒たちは厳しい表情をしていた。

実際はいきなりそんな場面に出くわすと声すら出せないことがあるのを知っているからだ。



だが横島は生徒たちのそんな声に気を悪くすることなく話をすすめていく。



「じゃあ実際にやってみようか」


「「「「「「「「「「はい!?」」」」」」」」」」



生徒たちの疑問の声を見事にスルーし、なにやら横島は校門のほうを向いて手招きしている。

それにつられてみんな一斉に校門のほうを向くが、そこには誰かがいるような気配はない。

ただ一人、不思議に思った少女が自身の持つ能力『魔眼』に力を込め、その直後に驚いた表情をしていたが。

その時千雨は横島から貰ったお守りを握り締めながら、「なんでそんなとこに居やがるんだよ……」とつぶやいていたとか。



「あ、あの、センセ!?」



生徒を代表し、委員長が横島に声をかける。

なぜなら今度は横島が見えない何かをなでている様な動きをしているからだ。

まるでパントマイムを見ているようである。



だがその時、横島が撫でている手の平の下から何かが姿を現し始める。

それは長い髪を持つ頭部から徐々に姿を現しはじめ、やがてはっきりと顔が認識できるようになって来た。



「「「「「「「「「「キャーーーーーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」



姿を現した少女の閉じられていた瞳が開いた瞬間、グラウンドに1−Aの生徒たちの絶叫が響き渡った。

鳴滝姉妹などは抱き合って震えている。



「え!? え!? ええっ!?」



完全に姿を現した、セーラー服を着た半透明の少女は目の前の光景に驚いてしまった。

なぜなら目を開けたら、同年代の少女たちが涙を流しながら絶叫している姿を見てしまったのだから。

そして彼女自身もまた驚いた拍子に、とある力がつい溢れてしまった。

グラウンドに落ちていた石ころや、どこからか転がってきた空き缶などが辺りを飛び交う。



「いやーっ、ゆ、幽霊ーーーっ!! おかーさーん!!」


「ひ、ひぃーーーーーーっ!!」


「ポ、ポルターガイストーーーーッ!! あ、悪霊だーーーーーっ!!」


「ふ、ふえーーーーん、悪霊じゃありませんよーーーーーーぅ」



なかなか愉快なことになっているようだ。

悪霊といわれてしまった少女は泣きながら姿を消してしまった。

そこへ一人の少女の声が響く。



「ちょ、ちょっと皆さん落ち着きなさいっ!! 彼女も悪霊ではないと仰っているではないですか」



さすがはクラス委員長である。

この状況でこの落ち着きようは頼りになる。



その言葉がうれしかったのか、彼女の目の前に消えていた少女がいきなり姿を現した。

幽霊にしかできない技だ。



「ひっ!? う、う〜〜ん……」


「ちょ、ちょっと、いいんちょーーーーーっ!?」


「「「「「キャーーーーーーッ!! やっぱり悪霊ーーーーー!?」



だがそれに驚いた委員長は目を回して倒れてしまったから大変だ。

今度こそ収拾がつかないことになりそうになったそのとき、ここでようやく横島が場を落ち着かせるために声をかけた。



「はい、みんな落ち着いて。 大丈夫、彼女は悪霊なんかじゃないよ。 君もいきなりのことでごめんな!?」



そう言って横島は半透明の少女の頭を優しく撫でる。



「ううっ、ぐすっ」



しばらく撫でていると、ようやく落ち着いてきたようだ。



「さて、みんなも落ち着いてきたところで聞いてほしい。 今この瞬間、これまで教わってきた心積もりは役に立ったかい?」


「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」



さすがに今度は誰も答えるものは居なかった。

みんな恥ずかしかったのか俯いて黙っている。



「まあ実際にいきなり超常現象を目の当たりにするとこんなものなんだよ。 

これからは週に一回だけど教えられることはしっかり教えていくつもりだから、君たちもしっかり聞いてほしい」


「「「「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」」」」



横島が生徒たちにそう声をかけると、生徒たちからは元気のいい返事が返ってきた。



「さて、じゃあ気を取り直して、君の名前を教えてくれるかな?」



横島が少女に尋ねた。



「あ、相川 さよ、です」

  
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