GS美神×ネギま!

□非常勤講師、始めました!?
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その日の夜、横島は冥子からの依頼についてルシオラたちに意見を聞いていた。



「私はいいわよ。 はりきって教えちゃう♪」


「面倒くさいけどあの子や千雨の為だものね、私もいいわよ。 ただあの女にバレるのは時間の問題だと思うから、その辺のことも考えておかないとね」


「……ちょっとまて忠夫、私だけ除け者か!?」



ルシオラとタマモはすんなりとOKだったが、冥子がまだエヴァの存在を知らないので彼女の話が出るはずも無いのだがそのせいで若干エヴァが拗ねてしまう。

それを何とか三人で宥め、依頼の返事をしに行く際にエヴァを同席させ霊能科の霊的格闘訓練での講師としてもらうことでこちらの話しは纏まった。

だがエヴァの『私の件を忘れていた罰として今晩は朝まで私と過ごせ』という発言でルシタマとエヴァとの間でひと悶着あったのは横島家だけの秘密だ。

昼間は横島に対しあれほどツンなエヴァであるが、夜は実はルシタマと同じくらいデレなのであった。








「この前の冥子ちゃんからの依頼、正式に受けるよ」



後日改めて六道女学院へと赴いた横島は、理事長である冥子へとそう告げた。



「あら〜、ありがとう横島くん〜」



そう言って冥子はごく自然に横島の手を握るが、そこへ待ったをかける人物が居た。



「何をしている貴様ら。 それよりも横島、さっさと私を紹介せんかこのバカモノが!!」



女の勘という奴か、何かを感じ取ったエヴァが二人を引き離す。



「あ、ああ、そうだったな……」



エヴァの醸し出すプレッシャーに若干冷や汗をかきつつ横島が冥子にエヴァを紹介する。



「冥子ちゃん、こいつは『エヴァンジェリン』ていうんだ。 

真祖の吸血鬼で実力は折り紙つきなんだけど、彼女も霊能科の霊的格闘の講師としてルシオラたちと同様に雇ってもらえないかな?」



横島にそう言われた冥子は改めてエヴァのほうに向き直って言葉を継げる。



「あら〜、そうなの〜!? はじめまして〜、六道女学院の理事長を〜、務めさせていただいております〜、『六道 冥子』と申します〜。

横島くんとは〜、彼がGSの駆け出しだった頃からの〜、お付き合いなのよ〜!?」



冥子の先制攻撃!!

どうするエヴァ!?



にげる

たたかう 

じゅもん

よこしまをたてにする ←



「『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』だ。 訳あって『忠夫』の家に世話になっている。 ああ、私についてはルシオラやタマモと同じ扱いで構わん」



こうかはばつぐんだ!!



「あらあら、うふふふ〜〜。 横島く〜ん、後で冥子にどういうことか詳しく教えてちょうだい〜。 勿論二人っきりで〜」



よこしまはにげだした!!





この後結局捕まった横島は、なぜか真っ黒なオーラを纏った冥子からエヴァについて詳しく報告させられげっそりとしてしまう。

だが家に帰ると何故か今度はルシオラやタマモ、そしてエヴァから冥子について詳しく説明させられさすがの横島も精神的に疲れ果ててしまった。



この日は久しぶりにぐったりとなってしまった横島であったが翌朝にはピンピンしており、なぜ一晩でこれほど体力が回復しているのか不思議がったエヴァが首をかしげていた。

ちょうどその頃、横島の寝室では妙に肌ツヤの良いルシオラとタマモが全裸で気持ちよさそうに眠っていたとか……






そして翌日、横島たちは最終的な曜日と時間割の調整をするため四人揃って六女を訪れていた。

その結果タマモが月曜と火曜、ルシオラが火曜と水曜、横島が木曜、エヴァが金曜にそれぞれの授業を受け持つこととなった。

そして月曜に横島、水曜にエヴァ、木曜にルシオラ、金曜に横島がそれぞれカウンセラーとして赴き、常に学院に横島家のうち二人が居る体制を取る事とした。



横島たちが理事長室で打合せを行っていたちょうどその頃、とある教室だけが異常に盛り上がっていた。

千雨の在籍する普通科1−Aである。



「大ニュース!! どうやら新しい先生がくるみたいよ!?」



そんな情報をもたらしたのは勿論『六女のパパラッチ』朝倉であった。



「相変わらず情報が早いな。 ったく、どこから掴んでくるんだか……」



クラスメイト達が新しい教師のことで盛り上がっている中、千雨は相変わらず我関せずを貫き通そうとしていた。




「しかもなんと四人も同時に!! んでそのうちの三人が女の人らしいのよ。 

先輩が理事長室に入っていく四人を見たらしいんだけど、一人は金髪を九つに分けた人でもう一人は黒髪のボブカット、更にはお人形さんみたいな金髪の人なんだって。

しかも全員がタイプの違う美女らしいわ!! あ、でも男の人は普通っぽいんだって」


「えー、そこが肝心なんじゃーーーーーーーん」



湧き上がるクラスメイトの声とは逆に、千雨は盛大にむせ返った。



「ゲホッ、ゲホッ(な、なにやってんだ兄さんたちはーーーーーーーーッ!?)」


「おや千雨殿、どうしたでござるか?」


「な、なんでもねぇよ、似非忍者」


「だから拙者は忍者ではござらんと何度も言ってるでござろう?」


「けっ、言ってろ」


「ところで千雨殿は新しい先生方について何か知っている様子でござるが!?」


「……なんでそう思った?」


「にんにん、拙者観察力には自信があるのでござるよ」



千雨がくの一少女と話をしているうちに、クラスメイト達は新しい先生達を見ようと教室から出て行こうとする。



「お待ちなさいっ!!」



だがそこへとある少女から待ったの声がかかる。



「貴女たち、今は自習の時間であって自由時間ではないのですよ? それにあまり騒がしくすると他所のクラスの迷惑になることも少しは考えなさいな」



さすがはこのクラスの委員長だ。

ほっておくとどこまでも羽目をはずすこのクラスの級友たちのことをよく分かっている。



「ですがわたくしも見てみたいというのが正直なところですので、静かに行動するのであればわたくしもご一緒しますわ」


「「「さっすがいいんちょ、話しがわかるっ!!」」」



……どうやら同じ穴の狢だったようだ。

  
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