GS美神×ネギま!

□幸運の精霊と乙女の憂鬱!?
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「はぁ〜〜〜」



その光景を見て、誰もいなくなった教室でひときわ大きく彼女はため息をついた。



「どうしたの千雨、そんな大きなため息なんかついちゃって?」



その声に振り返ると、そこには彼女の親友でもあり寮のルームメイトでもある明日菜が立っていた。

明日菜が居ることに気が付いた千雨は、無言で窓の下を指差す。

それに釣られて窓の下を覗いてみた明日菜は納得する。



「ふ〜ん……」


「な、なんだよその顔は?」


「べっつにぃ〜? てか、桜子があんなに積極的になったのってあの『事件』の後からよね!?」


「なんか露骨に話題変えやがったな、まぁいいけどよ。 そうだな、あん時はさすがにビックリしたぞ」


「そうよね。 まさか『六女のラッキー仮面』から一時的にとはいえラッキーが消えちゃったんだもの」




そう、千雨と明日菜が話していた通り少し前にこの学院全体に激震が走った。

『桜子大明神のご利益はマグレなのか!?』という記事がクラスメートであり『六女新聞』の記者でもある朝倉によって書かれた程である。




……………………

………………

…………

……




その日、『六女のラッキー仮面』こと『椎名 桜子』はいつものように寮から学院へと続く道を所属するラクロス部の朝錬に参加する為一人で歩いていた。

その道は両側に桜の木が並び、春になると見事な花を咲かせることから学院関係者からは『桜小路』と呼ばれている。



「なんか今日はこの道を通りたくないかも〜]



何かを感じ取ったのかそう呟くと、桜子は『桜小路』を避けわき道へと逸れる。

そしてそんな彼女を静かに見つめる人影があった。



「どうやらアレは本物のようだな。 くくっ、わざわざこんな極東の島国まで足を運んだ甲斐があったか……」



『桜小路』の途中にあるひときわ大きな桜の木の陰から、一人の男が姿を現す。

男はそう呟くと、気配を消し桜子の背中を音を立てずに追いかけるのであった。







「ねぇ、聞いた?」


「ああ、『桜小路の変質者』の噂?」


「そうそう、なんか怪しいオッサンが出るらしいじゃない?」


「「「なになに、何の話し〜?」」」



その日の朝、1−Aの教室は『桜小路の変質者』の噂で盛り上がっていた。

なんでも普段良く通る『桜小路』に、誰かを探しているような怪しい男が居ると学院に通報があったとか。



「ちづ姉、気を付けた方がいいんじゃない?」


「あら、どうして?」


「だってちづ姉、どう見ても高1……ヒィッ!」


「あらあら、どうしたのかしら夏美ちゃん?」

  
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