GS美神×ネギま!

□藤原の姫君と守護の盾
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休日のこの日、横島は朝から家の掃除に借り出されていた。

今日は午後から来客があるため、現在タマモとルシオラそしてエヴァは厨房にこもりっきりだ。

やがて時刻はお昼を回り、横島たちも簡単な昼食を済ませて多少時間の余裕が出来たのか四人は今で待ったりと食後のお茶を楽しんでいた。



『ピンポーン』



すると玄関のチャイムが鳴る。



「私が出るわ」



ルシオラがそういって席を立つ。

暫くすると玄関がら聞きなれた声が聞こえてきた。



「「「おじゃましまーす」」」


「いらっしゃい、千雨ちゃん、明日菜ちゃん、木乃香ちゃんもようこそ」


「おじゃまします、ルシオラ姉さん」


「ルシオラさん、こんにちはー」


「先日はおおきに、ルシオラせんせ」


「ふふっ、いいのよそんなこと。 それよりも今日はプライベートなんだから先生はいらないわ、千雨ちゃんたちみたいにね。 それはヨコシマたちも一緒よ」



どうやら来客である千雨に明日菜、そして木乃香がやってきたようだ。

木乃香はルシオラの顔を見ると改めて先日のお礼を口にする。

そんな木乃香に対してルシオラは笑いながらお礼はいらないことを伝え、やや緊張気味の木乃香に遠慮は要らないことを告げる。



「ほなそうさせてもらいます、ルシオラさん」


「そうそう、それでいいんだよ」


「そうよ、木乃香。 ここの人たちは私たちの常識の斜め上を行く人たちばかりだし」


「ちょっと明日菜ちゃん、それってどういうこと?」



そんなことをいいながら、四人が横島たちの待つ居間へとやってきた。



「やあ、いらっしゃい」


「いらっしゃい。 千雨と明日菜はわかるけど、木乃香も一緒なんて珍しいわね」



そう、今日の訪問は千雨と明日菜が横島に『相談がある』といって決まったことだった。

木乃香が一緒にいるということは、彼女に関することなのか。

その疑問はすぐに解決することとなった。

ただし、それ以上の謎を残してではあるが。



「あんな、相談と言うよりまずは横島さんにこれを見て欲しいんよ」



そういって木乃香は首から提げていたお守りをはずし、中から何かを取り出す。

木乃香が握り締めた手を開いた瞬間、横島を初めルシオラやタマモそしてそれまで一言も喋っていなかったエヴァまでもが驚きで目を見開いた。

そこにあったのは『想』の文字の入った翡翠色のビー玉のようなもの。



木乃香以外の全員が横島の顔を見る。

だが当の横島も難しい顔をしているところを見ると、どうやら彼にも何故それが木乃香の手元にあるのかわからないようであった。



『文珠』、それは人類においては横島にしか作り出せない奇跡の霊具。



「兄さん、私たちが今日ここに来た理由がわかっただろ?」



千雨が重い空気の中口を開いた。



「たぶん体育で着替えた時に落ちたんだと思う。 そのお守りが私のカバンの中に入っててさ、夜気が付いたから次の日隣の席の木乃香に聞いてみたのよ。

そしたらすごい勢いで木乃香に感謝されて逆にビックリしちゃった」


「あん時は堪忍な、明日菜。 これはウチの家に代々伝わる家宝なんよ。 近衛の家の女子に受け継がれてきたものらしくてな、ウチのお母さまもお婆さまから受け継いだらしいんや」



そういって木乃香はお守りを大事そうに胸の前で両手でそっと握り締める。

するとその瞬間、木乃香が眩い光に包まれた。

『想』の文珠が発動したようだ。



木乃香の脳裏に、見たことのない風景や人物が浮かんでは消えていく。

やがて光が収まると同時に、木乃香は意識を失ったようにその場に倒れこむ。



「「木乃香!?」」



彼女の名を呼ぶ友人二人が動き出すよりも早く、横島が木乃香を抱きかかえ床に倒れこむのを防ぐ。

そしてその時木乃香が薄っすらと目を開け横島に抱きついた。



「高島殿!!」



何度もその名を呼ぶ彼女は、もう二度と離さないとばかりに強く強く横島に抱きつく。



横島と木乃香、二人の運命が1000年以上の時を超えて再び交わった瞬間であった。

  
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