GS美神×ネギま!

□KNOCKIN' ON YOUR DOOR!?
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『KNOCKIN' ON YOUR DOOR!?』



ある日かかってきた一本の電話、それを受けてからの横島の行動はとても速かった。



「タマモ、ルシオラ、出かけるから用意してくれ。 エヴァ……は直接は関わりがないけど、一緒に行くか?」


「はっ?」


「ちょっ、ヨコシマ!?」


「ん? まぁ、別に構わんが?」



突然のことについていけないルシオラとタマモを急かし、エヴァへも声をかけた。

そして三人を連れて横島はある場所へと急ぐ。

ここまで横島が急ぐのにはわけがあった。



「ねえ。 あんたがここまで急いでるのって、さっきの電話に関係があるのかしら?」


「ああ」



タマモの問いに、横島は短くそう答える。

先ほどかかってきた電話の相手の声に横島は聞き覚えがあった。

受話器の向こうで相手はこう名乗ったのだ。



『氷室 早苗』と。



記憶が正しければ、たしかかつての事務所の仲間であったおキヌちゃんの義理のお姉さんの名だ。

そしてその彼女はこう告げた。

『おキヌちゃんがオメーにさ会いたがってるだ。 まんず家さ来てけれ。 詳しい話はこっちさ着いてから話すだ』と。



それを聞き慌てて電話を切った横島は失念していた。

その昔氷室家を訪れた際は上司の運転する車に乗っていたため詳しい住所を知らない、ということを。

そして今、横島は住所を知る人物の元へと急いでいるのである。




『どちら様でしょう?』



とある建物のインターホン越しに、とても懐かしい声が聞こえてきた。

だがかつてと違うその事務的な対応に、横島はほんの少しの寂しさを感じる。

だがそれも仕方のないことだと割り切り名前を告げた。



「あー、美神さんに『横島が来た』と伝えてくれないか、人工幽霊」


『……少々お待ちください』



人工幽霊にそう言われた横島はそのまま無言でしばらく佇んでいた。

そしてふと隣に目をやると、複雑そうな顔をしたタマモが目に入った。

人工幽霊であれば初めての来客以外であれば誰が訪れたのか名前を告げなくてもわかるはずなのだが、先ほどの応対がやはり横島同様寂しいのかもしれない。

しばらくしてインターホン越しに再び人工幽霊の声が聞こえてきた。



「オーナーから許可が出ました。 どうぞお入りください。

お久しぶりです、横島さん。 タマモさんもお元気そうでよかった。

そしてルシオラさん。 あなたと過ごした日々は短かったですが、再びお会いできてよかった。

おっと、はじめまして麗しい金髪のレディ。 私は『渋鯖 人工幽霊壱号』と申します。 以後お見知りおきを」



その言葉に横島たちの顔に笑みがこぼれた。

玄関から中に入りつつ、それぞれが人工幽霊に声をかける。



「おう、久しぶりだな人工幽霊」


「あんたも元気そうじゃない」


「私も思い出のある場所にまた来れてうれしいわ、人工幽霊」


「は? ちょ、貴様らいったい誰と話をしている?」



一人だけ話についていけないエヴァが頭にいくつもの疑問符を浮かべながら横島たちのあとに続き建物の中へと入っていく。

そして横島は勝手知ったる美神の事務所となっている部屋のドアを開けた。



「いらっしゃい、横島クン」



何もかもが懐かしい事務所の中で、美神はそう言って横島を迎え入れるのであった。

   
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