GS美神×ネギま!
□過去の清算
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「んああッ……」
ひときわ大きな喘ぎ声の後、彼女はベッドにその身体を横たえた。
行為で乱れたシーツの上に、普段は九房に束ねられているその自慢の金髪が広がる。
彼女の名は『タマモ』、ご存知『九尾の狐』の転生体である。
「はぁっ、はぁっ、相変わらずアンタの煩悩は底無しね……」
「ふっ、まかせとけ。 ワイの煩悩は神魔をも凌ぐのじゃーーーーッ!!」
「威張って言うことでもないでしょうがッ!!」
横島に何度も啼かされたタマモは、若干呆れを含んだ声でそう呟いた。
だがこの男にとってのそれは褒め言葉でしかなかったようだ。
そんな中、タマモは快感の余韻に浸っていた身体を起こし横島に尋ねる。
「ねえ忠夫、前に行った京都で泊まったホテル覚えてる?」
「京都のホテル?」
「そう。 ほら、料理長に土下座で頼まれてウチのお豆腐と油揚げを卸す事になった」
「おおっ、あの美人女将と綺麗な仲居さんがたくさんいるホテル!!」
「そう、そのホテル。 あの時はアンタが女将さんや仲居さんにちょっかいかけたお陰で私やルシオラまで白い目で見られたんだったわね。
あ、なんか思い出したらムカムカしてきた」
どうやら以前旅行に行った京都でもこの男はなにかやらかしたようだ。
その時の騒動を思い出したタマモは、湧き上がった苛立ちを横島にぶつけることにした。
タマモは不意に横島の腹部に跨るとその細い指を横島の頬へ添え、力を込めて両側へと引っ張った。
「いふぁいれふ、はまもふぁん(痛いです、タマモさん)」
「ふん、いい気味だわ」
そう言ってタマモはニヤリと笑みを浮かべた。
何かを思いついたようだ。
「ふふっ、いい事思いついたわ。 これはお仕置き、忠夫は動いちゃダメよ」
タマモは横島にそう告げると、どこからともなく文珠を取り出し横島の胸へと押し当てた。
浮かんでいるのは『固』まるの文字。
タマモの意図としては横島が動かないよう全身を固定しようとしたのだろう。
だがまだまだこの男の煩悩を甘く見ていたようだ。
今の二人の姿は先程行為が終わったばかりで全裸。
おまけに今はタマモが横島の上に跨った状態でありその見事な裸体を曝しているのだ。
そのような状況の中で『固』の文珠を使ったせいかはたまた男の生理現象か、横島のとある一部が見事に固さを取り戻した。
これにはタマモも呆れてしまう。
「ほんっとうにアンタは欲望に忠実なのね……」
だがそう言いながらもタマモはソレを優しく手で包み込む。
タマモのその行為に、横島は期待を胸に膨らませる。
そしていよいよタマモがゆっくりと腰を持ち上げたところで邪魔が入った。
piririririri・piririririri・piri『ピッ』
「こんな時間に誰じゃ、こんにゃろー!!」
三度目のコールの途中で横島が携帯電話の通話ボタンを押し、相手に向かって悪態をつく。
それもその筈、今は夜中の一時を回ったところだ。
しかも丁度これからタマモといいところだったのを邪魔されたのだから。
尚且つ登録されていない番号からとなると、彼の態度も仕方のないことなのかも知れない。
「こんな時間にすまない、横島くん……」
意外な人物からの電話を受けた直後、横島はタマモをつれて家を出た。
向かう先は『白井総合病院』。