ネギま!

□これは『ネギま!』ですか?
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第一話 『彼女の秘密と任務依頼!?』





「「……389、……390、……391、……」」


 
手に持った竹刀をただ闇雲に振り下ろすのではなく、しっかり一振り一振り呼吸を整えさらには相手をしっかりイメージして素振りを繰り返す。

今少年が居るのは、自分の家にある道場の中。

彼の名前は『青山 千秋』、ここ京都では名のある剣術の流派『京都神鳴流』の宗家『青山家』分家の家柄の長男で今は神鳴流の門下生だ。

年上の兄弟子達に混じって修行してるお陰か、最近剣の腕と共に精神も急激に成長して来つつあるがまだ10才の少年だ。



「「……986、……987、……988、……」」



毎日の日課である竹刀での素振りを千秋の隣で一緒にやっているのは、彼の幼馴染の一人である『桜咲 刹那』。

彼女もまた千秋と同じく『京都神鳴流』の剣士見習いだ。

年が同じということもあり、時間が合うときはこうして一緒に素振りをしたり軽く打ち合ったりしている。



「「……998、……999、……1000!!」」


「アキくんもせっちゃんもお疲れ様や〜」



1,000回の素振りを終え一息ついたときに、労いの声と共にタオルとスポーツドリンクを渡してくれるこの娘は『近衛 木乃香』。

千秋と刹那のもう一人の幼馴染だ。

彼女はなんと『関西呪術協会』の長、『近衛 詠春』さんの娘であり次期長の候補筆頭として期待されている。

東洋随一の魔力保持者でもあり、今は千秋の母に呪術全般を教わる身だ。




千秋たち三人は同じ年ということもあって普段からよく行動を共にしている。

『京都神鳴流』と『関西呪術協会』という組織同士のつながりもあり、千秋の両親と木乃香の両親は非常に仲が良よかった。

そのおかげで木乃香と千秋は物心ついたときから一緒に遊んでいたが、数年前のある日木乃香の父である詠春さんが一人の女の子を連れて来たのが刹那だった。

お互いに自己紹介をしたのだが、ここで木乃香お得意の渾名付けが炸裂する。




「あ、ボクは『青山 千秋』、よろしく」


「ウチは『近衛 木乃香』やえ〜」


「あぅ、『桜咲 刹那』です……」


「ん〜、刹那、刹那……、ほな『せっちゃん』やな。 ウチのことは『このちゃん』て呼んでな〜」




こんな感じで……

ちなみに千秋は、まだこの頃は自分のことをボクと呼ぶあどけない少年だった。




最初は恥ずかしがっていた刹那も、木乃香独特のあのポヤポヤした雰囲気にあてられたのかいつの間にか『このちゃん』『せっちゃん』と呼び合うようになっていた。

『このせつコンビ』誕生の瞬間だった。

そういえば千秋がはじめて木乃香に会ったときも『このちゃん』と呼ぶようにお願いされたが、彼は頑としてお断りさせていただいたそうだ。

それ以来、千秋たちはほぼ毎日三人で遊んでいて今に至る。




刹那が神鳴流を、そして木乃香が呪術を習い出したのには理由があった。

それは数年前に起こったある事件。




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