GS美神

□これは『GS』ですか?
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プロローグ



「エヴァちゃん、身体の具合はどうだ?」



エヴァの魔法によって気絶していた横島がどうやら復帰したらしい。



「うむ、問題ない。 魔法も無事使えるようになった。 礼を言うぞ、ドクター・カオス」


「なに、お安い御用じゃよ。 ところでじゃが、その身体にしてくれというリクエストはまさかお主もこの小僧w『それ以上は言わさん!!』……」



エヴァが力技でカオスを黙らせる。

だがこのやり取りにすかさずこの二人が食いついた。

ルシオラとタマモだ。



「「ねぇエヴァちゃん、なーんでわざわざ身体を成長させたのかな? かな??」」


「うっ、それは私も女として生まれたからにはいつまでも十歳のままというのは悲しいというか……」


「「本当のところは??」」


「ううううっ……」


「「さぁさぁさぁっ!!!」」


「うがーーーーっ! うるしゃいうるしゃいうるしゃーーいっ!!」



横島家の面々は今日も元気です。





「とりあえずさっきは『氷爆』は使えたが、他の魔法も問題なく使えるかどうか確認がしたい。 どこかいい場所はないか?」



エヴァが横島へ問いかける。



「じゃあ、小竜姫さんのところの修行空間はどうかしら?」


「よし、じゃあ早速行くか」


「くくくっ、あそこか。 あの魔界正規軍の大尉とやら、今度こそ痛い目を見せてやる……」



ルシオラの提案に横島が乗っかり、再び妙神山へ向かうこととなった。

エヴァもやる気十分である。



一行が妙神山に着くと、出迎えは当然小竜姫であったがそこにワルキューレの姿は無かった。

なんでも急に任務に就いたらしく、ジークフリートも一緒に行ったのだとか。

影でニヤニヤ笑っているヒャクメが気になるが今は無視だ。



「ひどいのね〜。 シクシク」



普段の行いのせいだ、諦めろヒャクメ……




「さて、では行くぞ横島っ!! しっかり避けるか迎撃しろよ!? まずはこれからだ。

氷の精霊17頭、集い来たりて敵を切り裂け。 『魔法の射手・連弾・氷の17矢』!!」


「待て待て待てっ、一人で勝手にやってればええやないかっ!? 何でワイに向かって撃つ必要がっ?」


「ふん、その方が気分が乗るからなっ!!」


「納得いかーーーーーーん!!」


「ほらほら、どんどんいくぞ!? 次はこれだっ! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 来たれ氷精、大気に満ちよ。 白夜の国の凍土と氷河を… 『こおる大地』!!」


「どわーーーーーーーっ!!」



一通りの魔法を試し撃ちしていくエヴァ。



「はぁはぁはぁっ、あいたたた。 ちょっとくらい手加減してくれよエヴァちゃん……」


「これくらいで何を言うか。 結局一度も本気を出さなかったくせに……」


「当たり前やっ!! こんな良い女に手ぇ上げれるかーーーーー!!」


「んなっ!!」



文句を言う横島に対し小言で返すエヴァであったが、続く横島の言葉で思わず赤面する。

それを見ていたルシオラやタマモ、挙句の果てに小竜姫までがニヤニヤと笑っている。




「き、貴様よくもそんな恥ずかしいことを平気な顔して…… うがーーーーっ!! 

リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 契約に従い、我に従え、氷の女王。 来れ、とこしえのやみ、『えいえんのひょうが』!!!」



照れ隠しのエヴァの魔法が直撃し、横島はあっという間に氷付けとなってしまった。



「やるわねエヴァ。 今の攻撃はルシオラの一撃と同じくらいのマイト数は出てたんじゃないかしら?」


「ええ、恐らくエヴァさんは上級神魔族に匹敵する力があるでしょう」


「さすがは真祖ってとこかしら? ブラドーとは大違いね」



横島が氷付けになっているにもかかわらず、タマモと小竜姫はエヴァの実力について暢気に話し合っていた。

ルシオラはというと、やかんのお湯を横島の頭にかけて解凍中だった。



「あちちちっ!! ったく、なんだってんだよ……」


「くすくすっ、自分で考えなさいヨコシマ」


「????」



文句を言う横島に対し、ルシオラは笑いながらそう答える。

横島にはいまいち理由は分からなかったようだ。




「どうやら問題ないようだ。 後は影を使った転移魔法の確認だけだな。

どれ横島、貴様の影へ転移するからそこを動くなよ? まあ別に動いても問題は無いが、陰から出た瞬間に動かれて踏まれでもしたら溜まらんからな」



そう言うと、エヴァは自分の影へと潜って行った。



本来ならすぐに横島の陰から出てくるはずのエヴァ。

だが宇宙意思の悪戯かそれとも愛された所以か、エヴァが転移したのは全く違う場所のようだ。

確かに影は横島の物であったがまさかそんなところに繋がるとは、エヴァ自身も全く想像すらしなかったことであった。



「(どこだ、ここは!?)ん? おい貴様、動くなと言った筈だ。 大体なんだその格好は……」


「へ!? ……う、生まれる前から愛してました〜〜〜っ!!」


「ま、待たんか貴様ーーーーーっ!!!」




最強の魔法使い『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』とごく普通の高校一年生『横島 忠夫』、この世界で出会ったのは果たして偶然かそれとも運命か……

それはキーやんにもサッちゃんにも分からないことであった。

  
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