GS美神

□戦乙女の極秘ミッション!?
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「うぷぷっ、ほ〜んと、横島さんは面白いのね〜。 今の姿を見せたら、ぜ〜ったい楽しいことが起こるのね」



その頃、妙神山ではとある覗き魔(神)が彼らを覗いていた。

しかもなにやら良からぬことを企んでいるようだ。



「ねぇ小竜姫にワルキューレさん、ちょーっとこれを見てほしいのね〜」


「なんです、ヒャクメ!? あなた仕事はしているのですか?」


「なんだ? 私も暇ではないのだぞ?」



ヒャクメのそんな声に、なんだかんだ言いながらもついついモニターを覗き込む小竜姫とワルキューレ。



その瞬間、妙神山全体の空気が凍りついた。



「ヒイッ」



思わずヒャクメが小さく叫んでしまうほど恐ろしい形相をした魔界正規軍大尉殿がそこにはいらっしゃいました。



「では私は修行場のお掃除を……」



小竜姫は何食わぬ顔でその場からの戦略的撤退を決めた。

指揮官さながらの状況判断である。



「ち、ちょっと待つのね小竜『ガシッ』ぐえっ……」



それにいち早く反応したヒャクメが小竜姫を引きとめようとするが、襟首を後ろから思いっきりつかまれ息を詰まらせる。



「……ヒャクメ、状況報告をしろ。 詳しく、だ。

どんな些細なことでも漏らさず報告しろよ? これは魔界正規軍大尉としての命令であるっ!!」



思いっきり職権乱用の気がするが……



「ううっ、ひどいのね〜」


「早くしろっ!!」


「はいぃ!!!」



こうしてヒャクメは今魔鈴の店で横島に抱きついている少女のことをワルキューレに話していく。



「…………というわけで、あの子は昔横島さんたちが居た所でお隣に住んでいた女の子なのね。

当時から可愛かったから、横島さんの光源氏計画なんじゃ!?ていう噂が立ったくらいなのね〜」



言いふらしたのはお前だがな、ヒャクメよ。



「いや、だが今は随分地味と言うか普通と言うか……」


「あれは変装なのね〜。 さっきも言ったように、あの子はちょっとだけ周りとは違う体質なのね。

その体質のおかげで他の人には見えないものが見えてしまったりするのね〜。

タマモちゃんの幻術すら見破れちゃうくらいなのね。 あなたの春桐モードも意味ないのね〜」



ヒャクメに説明を聞いてもどうも信用ならない。

だがしかし次の瞬間、ワルキューレは衝撃の事実を突きつけられる。



少女の涙を拭くために、横島が彼女のメガネをそっと外す。

すると、メガネに隠されていた少女の素顔が露になったのだ。



「なにぃーーーーーーーーーっ!!!」



妙神山に魔界正規軍大尉殿の絶叫が響き渡った。

そう、メガネを外した少女はすっかり美幼女から美少女へとクラスアップを果たしていた。

涙を拭こうとした横島ですら見惚れて固まってしまうくらいに。



「ぐはぁーーーーーーーーーっ!!!」



妙神山にワルキューレの絶叫が響き渡ったのとほぼ同じ頃、魔鈴の店にも絶叫が響き渡った。

固まった横島の後ろから、金髪美女が横島の股間を思いっきり蹴り上げたのだ。



その叫び声を聞いて、ワルキューレもフッと我に返った。



「……ヒャクメ、あの金髪はどこのどいつだ?」



ワルキューレは先ほどよりもさらに低く冷たい声でヒャクメに問いかける。



「エヴァンジェリンさんなのね〜。 ドクター・カオスに霊体ゲノムを弄ってもらってああなったのね〜」



それを聞いたワルキューレの行動は早かった。 まさに神速、いや魔速か!?



「私はこれより緊急ミッションに入る。 ジークフリート少尉も同様だ。 

ヒャクメ、ハヌマン殿に伝えてくれ。 しばらくは妙神山にも来れないだろうとな」



そう言い残し、ワルキューレは何処かえと飛んでいった。



「うぷぷっ、さらに面白くなりそうなのね〜。 こうしちゃ居られないのね。

今日から横島さんの二十四時間を完全録画しなくちゃなのね。 神通パソコンのHDDも増設しなきゃなのね〜!!」



残されたヒャクメは本当に楽しそうに笑うのであった。

  
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