すいーと(仮)
□逢いたかったの。
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昭仁がツアーやライヴに忙しくて
最近ずっと逢えていなかった。
昭仁に迷惑がかかると思ってメールも電話も控えていた。
逢いたい、たったそれだけの言葉が伝えられず
ヒトリノ夜はツラかった。
そんなことが昭仁の真剣な顔と声で
脳裏から引き出されて
それがきっかけで涙腺が崩壊し
涙を呼んだ。
「ええっちょ…なん…な、なんで?
なんで泣くことがあるん?話してみ?」
ごんべさんの突然の涙に昭仁はあたふたしながらきいた。
「…っ………っ……あん、ね…嬉しかった… さっきの…言葉が…」
嗚咽しうまく喋れない。
「…うん」
けれど昭仁は静かに聞いてくれる。
「…………っ………あと……
…逢いたかった……」
「わしもよ。呼んでくれりゃあ、駆け付けたんに…」
「ほんとはっ何度も、電話しようと、思ったんだけど…迷惑かなって思ったら、出来なくって…」
言おうか悩んだ。
優しい昭仁のことだもの。言ったら困るでしょ?
「迷惑、ちゃうよ!……してこい!わしんこと呼べ!」
昭仁はごんべさんを引き寄せ頭を胸に押し付け優しく抱きしめた。
「………っ……」
久しぶりの昭仁はいつもと変わらぬあったかさで
傷心している私の涙をそそる。