すいーと(仮)
□一緒に
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｢ねぇ、DVD見よ！｣
｢おん、ええよ。何見るん？｣
得意げに見せて来たのはライヴDVD。
｢えー…わしらの見るん？｣
なんとなく、恥ずかしいというか…。
｢うん！かっこつけてる昭仁を見ようと｣
にやっと笑いながらDVDを昭仁にわたした。
｢なんそれ？!公開処刑みたいじゃが！恥ずかしい…｣
そう言いつつもDVDをセットし
再生ボタンをＯＮ。
｢いいじゃん。昭仁はかっくいーんだから｣
机を挟んでテレビの真ん前にあるソファーに座った。
｢かっくいーて。ごんべさんに言われたんならしゃーないのう｣
ニヤニヤと笑いながら傍にあった
トラのぬいぐるみに話しかけた。
｢あー始まった！始まった！｣
隣に座っている昭仁の太ももを
バシバシとたたいた。
｢わーとるって。わしも見よんじゃけえ！｣
ごんべさんの手をとり言ったけれど
ごんべさんはDVDに夢中。
かまってやあ。
本物のわしはここにおるのになあ
昭仁の考えに気づいたのか、ごんべさんは
一時停止ボタンを押して
｢見ないの？｣
さみしそうな声を出した。
｢じゃって、わしはわしを見ることになるんじゃもん。つまらんよ｣
昭仁はちらっとごんべさんを見て
すぐに視線をぬいぐるみのトラへと戻した。
｢…そっか…。じゃあ、見るのやめよ｣
ごんべさんは停止ボタンを押し
DVDをとりだした。
｢えっ見んでええん？｣
｢うん。昭仁が一緒に見ないんじゃ意味ないじゃん｣
DVDを大切そうになおし言った。