すいーと(仮)

□噂の保健室
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2年生になった春、岡野先生はこの学校にやってきた。


『岡野昭仁といいます。男なので女の子的な相談に乗れるかどうかわかりませんがなんでも相談のりますので気軽に話し掛けてください』
先生自体に興味がなかったごんべさんは保健だよりの先生からのメッセージで岡野先生の存在を知った。

いや、存在自体は噂でそれとなく聞いていた。
『保健の先生、男らしいよ』
『結構イケメン』
などと。

「ごんべさん?大丈夫?保健室行く?」
いつメンのつる太がごんべさんの顔を覗いた。
「いや、いい…」

朝から頭が痛い。
けど保健室行くほどのことじゃない。
「あ!今、行くほどのことじゃないとか思ったでしょ!」
気持ちが顔に出てたのか、つる太はじーっとこちらを見ていた。
「そもそも、保健室あんますきじゃないし」
「…ごんべさん、そう言って去年倒れてたの誰でしたっけー?」
真顔でごんべさんの顔を覗いた。
「私だけどー」
「うわー人多!廊下までいんじゃん」
ごんべさんの教室は保健室と同じ棟の同じ階にあった。
「人多いならいいよ…」
歩くこと自体、正直しんどい。

「でも…あ、待ってて!…保健室のせんせー!たいちょーふりょーの人がいます!来て下さいー!」
保健室に入れなかったのか、保健室前の人だかりに向かって
大声で叫びよった。

頭に響く。気持ちは嬉しいんだけど…

目の前、視界の端から白く消えていった。







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