レジェンズ

□第2話.あたたかい家族
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古い時計の塔の中はとても気持ちの良い風が吹き、ちょうど良かったものだから春美はつい爆睡してしまった。



まさか誰かが来るとは思ってもいなかった。



「あれ!俺らの秘密基地に見知らぬ、美人なお姉さんがいるぞ!!」



「本当なんだな」



「どうやって入ったのかしら、すみませーん」



『・・・ん・・・・』




すみませーん


寝ている春美にメグは声をかけたが、起きる気配がなかったので今度は一段と大きい声で声をかけた。


『んぁ?あ、こんにちはー』




「こここ、こんにちはぁ〜///」


「こんにちはなんだな」



「こんにちは。なんでここで寝てたんですか?」



『あー、ごめん。ここ君たちのだった?』



「はい、僕たちの秘密基地なんですよ〜///」


デレデレしない!



「ヘブシッ」



『そっか・・・』




「帰る場所ないんですか?」



『うん、ちょっとわけありで・・・』



「でも、どうやって入ったんだな?」



『たぶん、君たちと一緒だと思うよ。なんか通路みたいのが見えたから入ってみただけ』



「よく、通路に気付きましたね」



「珍しいんだな」



『帰る場所がないから、たぶん火事の馬鹿力みたいなもんが発揮したんだと思うよ』



「これからはどうするんですか?」




『うーん、まだ考えてなかった。とりあえずはここに居よっかなと思ってたから』




「食べ物はどうすんですか?」



『うーん、公園の水でしのぐ』



「え!?そんなのダメですよ!!!」



「体に良くないんだな」



「あっ、なら俺ん家に来ますか?」



『え?』



「お母様とお父様は何もいわないの?」



「大丈夫だって、母さんと父さんは良いよって言うって」



『いや、いいよ。迷惑かけちゃうし』


「いえ、大丈夫っス。なんなら、待ってて下さい母さんに聞いてくるんで」



『え、いや・・・「待ってて下さーーい」



「行っちゃった」


「シュウ、はやいんだな」



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