オリジナル

□君のせいで
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「以上で生徒会会議を終了します。解散。」

毎日のようにある会議。

生徒会室に戻れば、机には山のように積み上げられた報告書や、願書、その他諸々の書類。

椅子にガタンと腰掛ければ椅子がぎしっと音を立てた。

「鏡先輩、大丈夫ですか?」

後輩までにも気遣われるようになってしまった。

「ああ、大丈夫。」

「無理しないで下さいね。では、失礼します。」

「じゃあな…。」

一人になった。

時計を見ると、もうそろそろ完全下校の時間だ。

「やば…。」

急いで荷物を準備して、生徒会室を出る。

職員室に鍵を返して下駄箱に向かった。

その間に何回ため息をついただろうか。

「疲れすぎだ…。俺…。」

靴を取り出し門をくぐる。

家に帰ったらプリンを食べよう。うん。

「きょーちゃん!」

首に抱きつかれて死にそうになる。

こんなことする奴なんて一人だ。

「ごほっ、…ふざけるな。」

怜。俺の幼なじみ。

「ごめんごめん。ずっと待ってたんだよ!」
この寒い中待ってたのか。馬鹿だな…。

「おい、今馬鹿だなって、思っただろ…。」
「っ…な、なんで分かる…。」

…エスパーか!?

なんて

「エスパーじゃ無いよ。きょーちゃんの考えてること分かる。」

なんて恥ずかしいことを言うんだ…こいつ…。

「あっ、そ。」

「…きょーちゃん可愛い…。ヤりたい…。」
「ふっ、ざけんな馬鹿!!!つかきょーちゃんって呼ぶのやめろって何回も…!」

怜は「へーい。」といって流しやがった。

「分かってない…!」

「分かってるよ、きょー。」

「っ、だ、からきょーじゃなくてきょう!!のばすとあほらしいだろうが!」

「ずーっと思ってたんだけどさ、」

急に真剣な顔をした怜にドキッとしたのはたぶん、その、うん。

「照れると早口になるよね、きょー。」

自分の顔が赤くなるのが分かる。

体が熱くなる。

「っ、うるさい!!!しね!ばか!あほ!ばーか!カス!」

「小学生並のボキャブラリーの少なさだね。」

「黙れ!!」

もういやだ、疲れているのに。

「鏡、疲れてるでしょ。」

「誰のせいだと…。」

「ごめんってー。ちゅーしてあげるからさー。」

ニコニコ笑って歩み寄ってくる怜。

「ばか!なんでこんな道の真ん中でしなくちゃ…!」

「スリルがあって良いんじゃない?僕はやくキスしたいんだけど。」

道路脇の壁に追い詰められる。

(車の通らない道でまだ良かった…。)

「ってそれお前がキ、キスしたいだけだろ…!」

「えっ、きょーちゃん今キスって言うの躊躇ったよね!?恥ずかしいの!?可愛い!」

ああ、もう。

疲れる、本当に。

「うる、さ…。」

顔が近い。あと数センチで唇が触れる。

(…てかコイツ舌出してっ…!?)

ぺろり

舌が首筋を伝う感触。

「ひぁっ!」

出してしまってから口を抑える。

「不意打ち成功♪きょーちゃんかーわいー。」

ちゅっとキスをされた。

コイツには遊ばれまくっている。それが何より疲れの原因。

「ば、か…。」

「あはは、ごめんね。鏡。」

(こういうときだけ名前で呼ぶ。)

「はぁ…。疲れた…。」

「じゃあ僕が癒してあげ「誰が癒して貰うか!」

まあでもこんな日常でも悪くないかな。そう思っている自分がいるのが恥ずかしかった。

「きょーちゃん、大好き。」

「…俺、も…っ…。」

ああ、恥ずかしい。

「じゃあさっそく僕の家でセック「やんねえよ!!ばか!」





end

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