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□恋するマヨネーズ
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はぁぁ…。

どんだけマヨ付けんの…。

俺と土方は町の食堂へ昼飯を食べに来ていた。

俺はストロベリーパフェを食べている。

その横で俺の恋人土方はトンカツ定食の全ての物にマヨネーズをたっぷりとかけて食べていた。

しっかし美味そうに食うなぁ…。

土方が幸せだったらそれでいいかぁ…。

俺は土方を見つめていた。

「何だ」

ドキィッ…

視線に気付いた土方が俺の方を見た。

「いや、美味そうに食うなぁって…」

「…お前もな」

ふぅ〜。

びっくりしたぁ。

俺は再びパフェを食べ始めた。

今日は久々に土方とデートできてるんだし、土方の行きてぇとこ行きてぇなぁ。

「なぁ、土…」



………嘘………マジでぇ〜〜〜〜〜!?

「何だ?」

「…お前…マヨ…」

「マヨ?…なんだ、お前もマヨ欲しいのか。なら素直に言えよなぁ」

「違ぇよ…口…」

「…口?」

「…口元…マヨネーズ付いてっぞ…」

「……………っ!」

ばっ…パシッ

マヨネーズを拭おうと振り上げた土方の右腕を掴んだ。

カランカラン…

箸の落ちる音…。

「なっ…」

ばっ…パシッ

すかさず振り上げた土方の左腕も掴んだ。

「ちょ…何…離せ…」

土方の頬がみるみるうちに赤くなる。

か…可愛いっ…!

「いーやっ」

「おまっ…」

キッ

あのぉ…土方くん?

そんな真っ赤っかのお顔で僕のこと睨んだって説得力ありませんよ?

「だってこんな土方、滅多に見れねぇし?」

「…普段の俺じゃ不満なのか…?」

土方はそう言ってそっぽを向いた。

ズッキューン…!!

何っ!?

何なのこの子っ!!

可愛い過ぎるんですけどっ!?

はぁぁ…。

俺のハートはもう限界寸前だ…っ。

俺は土方の耳元へそっと口を近づけた。

「拗ねちゃった?」

「…は…」

耳から伝わる吐息に、土方の背筋がピンと伸びる。

「いつもの土方も好きだぜ?けどな、今の土方もすげぇ好き…」

「…あ…」

土方の頬がますます赤く染まる。

「ふふっ…耳まで真っ赤…可愛い…」

「…うるせ…」

そう言った土方は潤んだ瞳を俺に向けて、呟いた。

「…こんなことされて、んなこと言われたら…誰だってこうなるだろうが…っ」

あぁ…もう…っ。

襲っちゃっていいですか?

「…早く手ぇ離せよ…拭わせてくれ…」

「その必要はねぇよ…」

ペロッ

俺は土方の口元のマヨネーズを舐め取った。

「お前…何して…っ」

「そっちのも食べたい」

俺は土方にキスをしようと唇を近付けた。

が…

「待てっ…銀時…」

土方の言葉によってそれは止められた。

「ん?土方?」

「手…離せ…」



この状況で拒まれたぁ!?

「これじゃ無理やりみてぇじゃねぇか…それに…キスだけじゃ…何か…虚しい…」

あのあのぉ…土方君?

誘ってくれてるのは意図的に?

それとも無意識?

ガバッ

俺は掴んでいた手を離し、土方を抱きしめた。

「可愛い過ぎんだよ…土方…」

「…可愛い言うな…」

俺は土方の頬に触れる。

熱い…。

ちゅっ

俺は頬にキスをした。

「俺にキスされたとこ、熱いか?」

「…顔が熱過ぎて分からねぇ…」

「じゃあここは?」

次は額に。

「…そこも同じだ…」

「じゃあここは?」

鼻先に。

「…銀……時………」

もうっ…そんな目で俺のこと見つめられたら溶けちまうよ…。

「うん、ごめんな。分かってるぜ…」

ちゅっ

土方が待ち望んでいた唇にも…。
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