SS3

□計画的デレ
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眠ってる沖田の顔を覗き込む

またいつもの変なアイマスクして寝ている

まだまだ暑い日が続いていたので
屯所で涼もうと思って忍び込んでみたらすぐそこの軒下の日陰で寝ていたのだ



「職務怠慢アルな」



ほっぺたをつつきながらも起きるのを待つ
すぐに起きると思っていたが全然起きる感じがしない

隣りに寝転んでみると規則正しく上下に動く胸が目に入る



「無防備過ぎアル」



私も隣りで寝ちゃうかな…

目をつむってしまった瞬間だった
いきなり抱きつかれてまた目をぱっちりあける



「チャイナがなんでここに居るんでィ?」



アイマスクを片手で外しながらも片手は私を抱きしめる



「やめろアル!!」



急いで腕から逃れるも沖田はニヤリと笑ってからむくりと起き上がる
人一人分くらい間をあけて座り直す



「で?なんで居るんでィ?」



ただ涼もうとしてきたのに結局寝ている沖田に釣られてしまったなど言いづらく黙り込む



「なんかわかんねェけど」



間をちゃんとあけていたのにその距離はすぐに詰められてまた後ろから捕まってしまう
抱きかかえられてから抵抗するがその手はがっちりと動くこともなかった



「はーなーせーヨー!」



「んー…」



沖田は眠そうに返事をしつつ私の肩あたりに頭をもたれかかる
息が首筋に当たってくすぐったい
抵抗する気も失せて縮こまる



「…寝るなヨ」



「びっくりしただろィ」



寝てしまったと思っていたのに今度は耳元の近くで囁くからまた…変な感じ



「何がアルカ…?」



くすぐったいのを我慢しながら顔を少しだけあげるバッチリ目が合う
その瞳は少しだけ閉じかかっていて眠たそうである



「目が覚めたら好きな奴が居るとか…びっくりするだろィ。」



寝ぼけてるからいつもは絶対言わないような少しだけ積極的な言葉にドキドキする
私こんなに乙女じゃないつもりだったんだけど…
嬉しくて恥ずかしくて心臓が忙しい



「うん…。」



そう言い返すと満足そうな顔して眠っていくのを背中に感じた

眠い時はデレデレなんじゃん。

いつもの沖田とは違うこの感覚に私も身体をこのぬくもりに預けて眠った



「(計画通りでィ)」



計画的デレ

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