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□年の差四つ
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自分との年の差四つ
前まではそんなに大きくは考えなかった差を少しだけ感じる

もうあいつは大学生なわけで
まだまだ中学三年生の自分がとても幼く思える

そんなに差なんか前まで感じなかったのに
幼馴染で喧嘩ばっかりしてたのに今では顔を合わせることも少ない
せっかくの夏休みも会わなかったし、学校は既に始まってしまっているし



「お前…朝帰りアルカ?」



学校に行く前にのそのそと帰ってきているのを見つけて、いつもの調子で話しかける

よそよそしい方が気持ち悪い



「まあ、そんなとこ。お前は中学かィ?」



「そんなとこアル」



その後なんて続けていいかわからない
せっかくだから、何か話したいし…でも時間はそんなにないし



「大学ってどんなのアルカ?」



私のいきなりの投げかけにびっくりしたのか考えているのか黙り込む



「入ったらわかるんじゃね?」



適当な返し
そして私は入れたとしてもあと四年はいるわけで
結構大きな差だとまた落ち込んでしまいそうになる



「見とけヨ!?すぐに立派な大人のレディーになってやるアル!」



差にムカついて叫んでやると、幼い子供を見るように笑われてしまう
それにまたイライラして顔は真っ赤になってしまう



「はー。それは楽しみなこって。」



年の差はどうにもできないけど

君が待っててくれないなら追い越しちゃうんだから!



「あとで跪いても遅いんだからナ!」



まだまだお子様でも許してよ
遊んでよ?
待たなくていいからずっと見ててよ



「はいはい。遅刻すんぞ。」



しっしっと手で払われて
ムキーッとまた怒りたくなるが確かに時間がやばい!
急いで走り出す



「他の男に流れていかねぇように全力で見張っといてやらァ…」



後ろで何か言ったようだが神楽には何と言ったかはっきりとは聞こえなかった

だけど、何て言ったかくらい想像できちゃうんだから!

神楽は振り返って強気に笑って見せる
沖田もその目を見つめて挑発的に笑うのだった



年の差四つ

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