SS3

□デートの誘い
1ページ/1ページ




「俺、お前のこと好きなんだけど」



屋上で喧嘩したりじゃれていただけだったのだが、思い切って告白をした
したは良いが彼女はとても良いとは言えぬ顔になっている

ずっと隠してきた事だった
だけど今言わないといけなくなったのは、チャイナが無駄に遊びに誘ってきたからだ

これはデートの誘いとして良いものかと悩み
もし違うならそれはそれで悩むものである
チャイナの気持ちも知りたくて自分の気持ちを告げた



「ないわー。」



「だからってそんなぶっさいくな顔してんなよ」



ゴンっと頭を小突けばそこからファイトは始まる
がっしりと取っ組み合い

これが嫌で俺は告白したんじゃなかったのか
もっといろんな表情を違う関係で見たかったんじゃなかったのか

今さっきのは、なしですなし!
結局こいつとはこれ以上を望んでないんだよ俺



「お前私の事好きなら暴力とかやめるアルっ」



今度は俺の寝技が決まり
チャイナは一気にピンチだ
反撃の言葉がそうくるか

そうきたところでやっぱり俺は苦しんでるチャイナの顔、好きだぜィ。



「好きですっつったら話してやらァ」



チャイナがまたすごーく歪んだ嫌な顔を見せれば苦しくなるようにもっときつく寝技をかける

そうすればやはりチャイナを負けを認めてくるのかその言葉を口にする



「好き…です」



パッと手を離してやればすぐにチャイナは飛びのいて肩をぐるぐる回す
けっこうきつくやったので変な感じなのだろう

そしてやれやれと言わんばかりにため息を吐くと
座って見上げている俺と目を合わせた



「そこまで言ってほしかったアルカ?」



「言われて思ったけどトキメキがねェな」



俺から"トキメキ"なんて言葉が出てくるとは思ってなかったらしくケラケラとチャイナは笑った

でも本当にドキドキというものがなかったんだ

不服そうな俺の顔に、チャイナは笑うのをやめた
少しのだんまりの後に口をひらく



「…じゃ、明日はデートで良いアル!!」



今さっきまでは暴れなかった心臓がドクドクと大きな音を立てた
ときめきって言うか…どぎめきだ
チャイナも自分の言葉によって顔を真っ赤にしてからその場に居られなくなったらしく走って逃げてしまう

きっと変わっていく関係に
今は少しだけ足踏みでもしようか



デートの誘い

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ