SS3
□変化
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
過去の私に今の私をどう思うか聞いてみたら？
"変わってないから今考える事と一緒。"なわけないでしょ？
一秒一秒変わっていくの
気分、周り、運だったり
昨日選択した答えと全く同じ答えを、また明日も絶対に答えられるわけ
ないじゃない。
その時感じる事なんて、毎日毎日変わっていく。
それに気づかされたのはいつだっけ
桜の咲く頃
君と桜の下で、出会った時
高校の入学式
中学までは何も思ってなかったのにその前まで嫌悪感しかなかったのに
桜の下で見たあいつは…
とても綺麗に見えたんだ
「サード！まーた同じクラスアルな」
「おう。腐れ縁ってか。嫌なもんだねィ」
教室に入っていつも通りに話しかければ、あの時見たあいつは違うやつだったかなと悩むほど憎たらしかった
「ムカつく…他に良い言い方ないアルカ？」
「じゃあ、運命の赤い糸的な？気持ち悪りぃな。」
自分で言ったことに鳥肌がたつほどぞわぞわしたらしい
肩を震わせた
そんな彼が少しだけ愛おしく思える
変わっちゃったんだ
あたし
「ほんと…気持ちわりぃアル。」
前のままの自分が良かったよ
君の反応をいちいち気にしてるのが嫌だ
一秒後に私がどう思ってるかとかわかんないよ
どんどん変わってっちゃう
「…毎回飽きねぇよな。こんな会話毎日やってらァ。」
「…私、飽きちゃったアル」
違う関係になりたいの
本当の隣りに居たいの
届かない想いと共に苦笑い
隣りの君からの視線に合わせたくない
合わせたら泣いちゃいたくなっちゃうよ
「じゃあ、さ…本当に運命の赤い糸とか…信じてみるかィ？」
ぶっと噴き出す
やっぱりこんなの向いてないよ
それでも私の気持ち変わってっちゃうよ
そんなのもいいかもって。
「そんなのハサミで切ってやるアル」
「そしたらもう一回、結んでやりまさァ。」
なんだ
あいつも心…変わってってる
でもね、一つだけわかることがあるの
あいつへの気持ちがこれからもっと大きくなったとしても、マイナスに変化することはないって。
この5秒後
2人は手をつないでる
変わってく時間の中で
変わらないのは隣りに君がいる事だけ。
変化