SS3

□ぐるぐる
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どくんどくんと脈打つ心臓
グサリグサリと刃のささる心
好きって気持ちが私を殺すの。



「…居たアルカ」



振り返れば銀ちゃんが帰ってきて居た
床で寝転がる私をよけながら冷蔵庫からイチゴ牛乳をとりだしガブガブと飲み始める



「やんねーよ?」



「とんねーヨ。」



ふんっとわざとらしく音をたててそっぽを向くと
すぐ近くの床に銀ちゃんも寝っ転がった



「意外と床って気持ちいいな」



「うん。冷たいアルよ。」



ぐったりとしている様子は死んでるみたい
真っ白な手を見て思った

こんな私は誰かに好かれるだろうか

自信ってどうやって作るんだろう
どうやったら持てるんだろう
私にはできない

何も言わない銀ちゃんの方をチラリとみると
銀ちゃんは鼻くそをほりながら寝ている



「銀ちゃん」



「なに?」



銀ちゃんはなんでも聞いてくれるし
答えも知ってるだろう
銀ちゃんに聞いて、良いのかな
沖田のこと、もっと知りたい



「やっぱりなんでもないアル!」



それだけ言い残すとすくっと起き上がってバタバタと外に出ていく
太陽は傾いてる
もう夕方
そろそろお腹がへるころ

それでも傘をさしながら走って走って、彼の姿を探す

いつものサボり場までいけばいつも通りに寝っ転がって寝てる



「おぉきぃたぁ!」



「あ?なんでィ。」



寝起きの沖田に軽いキスをした
寝起きだったから油断していたかその隙にまたチューを…。

お前も、あたしのせいで心臓痛くて殺されちゃえ!
あたしでいっぱいになっちゃえよ


ぐるぐる




「…ぅう。」



「襲った後に照れんなよ」

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