SS3

□遠くて近い
1ページ/1ページ

遠い空を眺めてそっと君を考えてみる

やっと帰り着いた家の窓を開けて
もくもくと夏の雲を見上げれば
今日の補習なんかより、君の顔ばかりなんだ



「喧嘩しかしてないけど…」



思い出してクスクスと笑う
なんであんなどうでもいいことで喧嘩できちゃうんだろう?
目が合っただけで一言目がいつも文句
ただ変な落書きしただけで喧嘩
問題を間違えれば毎回バカにし合って
先生に怒られてる



「チャイナー!どうせ暇なんだろー?飯食い行かねー?」



窓から見下ろしたら君が見える
今さっき別れたのにまた顔合わせてる



「お前から誘いにくるってことはおごりなんだろーナ?」



「んなわけねーだろーがィ!割り勘でィ!」



喧嘩なんて、みんな嫌がる事なのかもしれないけど、毎日が楽しくて
顔を合わせて喧嘩し合えばどこかで笑ってた



「しょーがないアルなー。お前がどうしてもって言うなら行ってやるヨ。」



「ドウシテモ」



「その言い方ムカつくアル!」



言い放ってから窓を閉めて適当に着替えてから下に降りて行く

ドアを開ければ少し照れたような顔をした君が居て、笑っちゃう



「なに笑ってんでィ。」



「ぷっぷー。照れてやがんのー!」



「あーもームカつく奴でィ。」



なんだかんだ言いながら2人並んで歩いてる
遠い空を見上げて、もう一回
隣の君のことを考える


遠くて近い

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ