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□わかってる気持ちはわからない自分の弱さ
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嫌いだった
この感覚とこうなる自分と目の前の相手が

また、みっけたアル…。



「今日もサボってるアルカ?」



声の相手を確認するように沖田はアイマスクを外して神楽を睨んだ



「このクソ暑いのに真面目に働く方がおかしいんでさァ」



日陰で涼むために神楽が木陰に入ればだいたいそこに沖田の姿があり
またはその逆だった
最初はそれにイライラとさせられたものの何度も何度もそうやっていくうちに会うのが普通みたいになっていた



「お前見ると暑いのが増す気がするアル」



「あー、不快指数が上がるよなァ…。俺もお前来たらムカつくから毎回場所変えてんだけど。」



「ふかいしすう…?ま、まあそうアルな!ふかいしすうがあれアルな。」



「意味わかってねぇなら適当に相づちうつなよ。」



「そ、それくらいわかるアル!ふかいになるんだロ!とりあえず!」



まあ、そうだけど…と沖田はもう一度アイマスクをつけなおし神楽とぎゃくの方向を見た

なんで毎回見つかるんでィ…ムカつく。

会えば心臓が変な音をたてる
目があえば心は穏やかじゃない
自分が自分ではないようで
制御できない

そんな自分も嫌い
そうなる相手に会うのも嫌だ

考えてることは一緒な2人なのにそれを理解する事は2人ともしなかった



「なぁ…そっちの方が涼しそうアル。交代しろヨ。」



「別の場所行けば良いだろ。ここは俺が先に取ったんでィ。」



ムッとした神楽はピットリと沖田にくっついた



「なんでィ。暑い、離れろ。」



「じゃあ別の所行けば良いアル。」



沖田もムッとして動こうとしない

意地でも動いてやらない(アル)

くっついてる所は熱くて
無視して寝てしまおうとしても意識してしまって全然眠れない



「あちぃ…。」



「お前が退けば良いだけアル…。」



「お前もバテてるだろ。お前が退け。」



ゴロンと沖田が神楽の方に寝転ぶと神楽もちょうど沖田のほうに寝転んだ

バチりと目が合ったらそらしたいのにそらしたら負けな気がしてジッと見つめ合う



「なんでィ。」



「お前が何アルカ!」



顔が赤くなっていくのがわかる
相手に照れてるとバレるのが嫌でやっぱり同時に目をそらしてしまう

なにこれ…。

2人とも手で顔を隠す

そばに居るだけで変になってしまう
こんなに乱される

これがなんなのかなんて
シラナイ

わかってる気持ちはわからない自分の弱さ

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