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□オシャレしたって良いじゃない!
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いつもの公園にいつものベンチ
いつものように座ればいつものように黒いきっちりした服に似合わずだるそうな少年が隣りに座る



座ればいつものように喧嘩になるのだと予想は外れ
少年の手が太ももを這った



「オイ。どこ触ってんだヨ。殺すゾ。」



「いや、生足なんて珍しいじゃねぇかィ。」



「だからって触るのはセクハラアル。」



静かにキレる私をよそに少年の手は止まる事を知らず這い続ける

これはキレるよりひくわ。



「やめろヨ。」



「ならこんなに足出してんなよ」



「お前足出してる女の子みんなにやってるアルカ!?」



「はっ。」



少年はバカにするように私を鼻で笑った
ムカつくのは山々だが手は出さない
今日は、せっかく可愛いチャイナ服を着たのだから暴れたくない



「馬子にも衣装ってこの事かねィ?」



「本人に聞いてんじゃねぇヨ」



「てか、何こんな丈みじけぇんでィ。触れと言われてるようにしか思えねぇよ。」



「私が美脚なのは認めるアルけど触るのはただの変態アル。」



「どうせ旦那にも触らせてんだろィ?」



「銀ちゃんはロリコンじゃないアル。」



手を振り払い立ち上がる
少年は振り払われた手が少し痛かったようでわざとらしくさする



「素直に褒めろっつーの!」



顔が赤いのは怒ってるせい!絶対にそう!

せっかく可愛い格好したんだから
可愛いって言ってくれたって良いジャン。



「馬子にも衣装」



「褒めてねーだロ!!」



「ウン。」



「もう良いアル。シネヨ。」



立ち去ろうとする私の腕を惹かれる

期待で胸が高鳴り振り返ると
困ったように笑う少年



「その足白いからリアルに大根でィ。隠しとけよ。」



「バカにしてるよナ?」



「うん。」



全力で蹴りをかまして公園を出た。

もうオシャレなんてしない。



オシャレしたって良いじゃない!



「生足の威力すごすぎでィ…。」

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