短編
□勝てたらね
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バッシュのスキール音と掛け声、ボールのドリブル音が響く体育館内。
別に見ていて楽しい訳じゃないし、楽しくない訳じゃない。体育館の舞台に座り、それをずっと眺める。
色んな男の子が居るな、とか、あの人フライングした、だとか、あの人のシュートは入るけど、あっちの人のは入らない、とか本当にどうでもいいことしか見ていない。それに対する感想なんて無いし、求められてもいない。
ただ、無心でバスケ部の部活の様子を見ているだけだ。
私も暇なものだ。
ただ来てくれ、の一言で無関係な部活を見に来るなんて。
特に忙しいことも無いし、構わないが…
息を吐いてごろん、と上体を後ろに倒した。舞台の天井のごちゃごちゃした部分が見える。
あーあ、早く部活終わらないかなー…?
ただ、この感情だけはあるだけで