短編

□鬼ごっこやふう
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『私たちが仮に、とてつもなく暇で死にそうな状態で、デジタル機器など無い、だだっ広い公園もしくは高原に居たとしよう。何がしたい?』



「黒ちんも飽きないねー。同じ味のシェイクばっか飲んで」

「気に入ってるからいいんです」

「黄瀬、お前ずっと携帯を弄り過ぎなのだよ」

「仕方ないじないッスかぁ。ずっとファンの子とかからメールが来るんスよ」

「死ね。つまずいて死ね」



ちょっと立ち止まってみる。
私の声、そんなに小さかったかな?誰かの耳に少しでも入ってても良いんじゃないか?



うわあぁぁぁ と叫んで一番後ろに居た黄瀬くんに突進した。黄瀬くんは豪快に転び、青峰くんに指差されて笑われている。私は倒れそうになったのを、近くの緑間くんにしがみついて助かった。



「ちょっと、いきなり何するんスか、苗字っち。派手に転んだじゃないスか、もう」

「無様過ぎて逆にカッケーよ、惚れ惚れするわ」

「………だから言ったのだよ」

「黄瀬ちんのスライディングかっこよー。写メ撮っとけば良かったー」

「携帯落ちましたよ?」

「ありがとッス、黒子っち」



うわあぁぁぁ と叫んで、今度は紫原くんに抱き着いた。



『何故に全員で2回も無視するんですかっ!?誰か一人くらい どうかした? みたいな普通の声かけしてよぉ。話進まないじゃんかよぉ』



「んなつまんねぇ話に付き合ってられっかバーカ」



『私は純粋に鬼ごっこ的な、追いかけっこものが良いなって思う訳ッスよぉ。「人の話聞けよ」でも、私たちは中学生。単純なお遊びじゃつまらない。だから、負けた人にはペナルティー。勝った人…まぁ、つまり赤司くんにはご褒美を!!』



「赤司くんにしかメリット無いじゃないですか。おもしろくないです」



「赤司っち以外でのペナルティーこなすの決めるだけのお遊びってことッスよね?オレらにはデメリットだけじゃないスか」



「そー?勝つのは一人って訳じゃないし、おもしろそーだけど?」



『そうそう!!赤司くん以外にも勝者枠はあるんだってば。どう?ちょっとは見えた?おもしろそーな影』



「ペナルティーとメリットによるのだよ」



「ハードル上げんなって。どうせろくでもねぇよ、んなもん」



「なら、名前にとってはデメリットだが、僕らにとってはメリットのあるもの、としよう」



いつの間にいらっしゃったんですか赤司くん。用事は済んだんですね?



『と言いますと?』
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