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□真夜中の攻防戦
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「俺たちもそろそろ寝るとするか、コロよ…」

先刻まで、こっそりと飲み会が開かれていたヨンハの部屋は閑散としている。

下戸のソンジュンをユンシクは何とか部屋に連れて帰り、ジェシンは戻るのも面倒になってそのままごろりと床に寝そべった。

「おいコロ!そこは俺の特等席なんだぞ…!」

灯りを消したヨンハが、彼のとなりに横になった。

「しっ!お前はあっちの豪華絢爛な布団があるだろう」

壁側の床で眠る名無しさんの隣にぴったりと寄り添い、動かない。

「この部屋の主は俺だぞ!」

殴られるのも覚悟で名無しさんの隣を奪還したいヨンハ。

「うるさい!お前のものは俺のものだ!」

ジャイアニズムならぬ、いつものコロ様イズムをかかげ、全く動く気配が無い。

ガッと脛を蹴られて痛みが走ったが、ヨンハも負けじと蹴り返す。
「そんなのいつから決まった?」

ヨンハの蹴りなど痛くも痒くも無いと言うような顔で、ドカッと強めに蹴り返す。

「お前が産まれたその日からだ。良いか、俺はここで寝る!お前は布団で寝る。以上!」


涙目になりつつも、名無しさんの隣で寝たいヨンハは、くってかかる。
ジェシンもだんだん意地になってきた。

「大人しく諦めろ!名無しさんが起きたらどうする!?」


すると、むくり、と小さな体が起き上がった。

「あぁー、さむ…」
ぶつぶつと寝言か起きてるかわからないような声でつぶやいて、のろのろと布団にもぐり込み、また寝息をたてはじめた名無しさん。


「「……」」

押し合い、蹴り合いの攻防戦もむなしく、部屋の真ん中にでんと敷かれた布団で後輩は寝てしまったのだ。




フンっと互いにそっぽを向きながら、壁側からヨンハ、名無しさん、ジェシンの順で夜を明かすことになったのだった。

何も知らない名無しさんは、朝までぐっすり、ふかふかの布団で眠りましたとさ。
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