『浪速くん』

□第三章
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「なあ、篠岡さん?」


『………』




「篠岡さん、て。」



『Σあっ、すみません!ぼーっとしとって…!』







肩叩かれて意識が現実に戻ってきた。



ずっと考えてた。今日のこと。












……財前くんのこと。











「あー…話聞いてた?」



『す、すみません…(涙』



「Σああっ、ええよ、ええよ!!」







謙也先輩はホンマに優しいなあ。

怒るという感情を持ち合わせてないんやろか?













放課後。

委員会の仕事で放送室に残っとった。






来週から始まる「曜日対抗!ええとも選手権☆」の企画書を作っているとこや。←



曜日ごとに昼の放送の企画をし、アンケート投票でどの曜日の企画が一番オモロかったかを競う。



ちなみに私らの曜日は「410FM!」言うて、ラジオ番組みたいに毎回ゲストを呼んで、ゲストのあれやこれやをインタビューしよう言うことになった。







「あ。そんでな、来週はリクエストが一番多かった白石呼ぶことにしたから。白石にはもうオファーしてある!」


『あ、はい!分かりましたっ』



ほんで、第一回目の担当は私ら2人ちゅーわけ。








そや、先輩もはよ部活行きたいはずやのに!

私がぼーっと考え事して仕事長引かせるわけにいかん…!!










早く終わらして部活に、部活…に…………


















うっ…!


部活行ったら財前くんに会うやん、←







いや、ただでさえクラスで毎日会うのに、放課後も部活で一緒なんやったわ……!!




き、気まずい!←←












「……篠岡さん、大丈夫??なんや今日は調子悪いみたいやけど……」




『え、』



「心ここに在らず〜言う感じやで。どうしたん?何か悩み事か??」



『いえ、あの……』



そんな表に出とるんやろか、私。













あ。謙也先輩モテとるからこういうの詳しいんやない?!


経験も豊富やろし、そや、きっとそう……!






よし、














『あの、………謙也先輩は、誰かと付き合いたいとか思います?』














「Σえぇ……?!!どどどどどどないしたん、急にっ////」















うわああああ失敗した…!!////














そうやんな!こんなこと急に聞くん変やんなっ……

謙也先輩が優しいもんやからって、つい口走ってしもた…!!恥ずかし////






『いえ!あの、すみません!!!失礼ですよね、こんな立ち入った話…!!わ、忘れてください!』



「いや、別に構わん!!こ、答えたるから…!!////」








俺は篠岡さんの先輩やからな、うん!言うて私を気遣ってくれとるらしい。


ありえん、ええ人…!
きっと色々と損してきてはるわ!!(涙←










「ん〜。そら好きな女の子と付き合いたいて思うな…!男やもん、誰だってそうやろっ」



『そ、そうですか……。』


「お、おん!////」





やっぱ、そうやんな。


この年頃で異性に興味ない奴なんておらへんやんな。うん、それは分かる!










「……Σな、なんやっ!篠岡さん、もしかして付き合いたい奴でもおるんか?!」


『うええええええっ////ちゃ、ちゃいますよ!いませんてっ!!』


「そ、そか…!////」











お、おうふ……

















なんやこのやり取りは…





謙也先輩もこういう話苦手なんやろか?



うう、悪いことしたなぁ…。















『あ、すみませんでした。変なこと聞いてしまって…!!』



「いや、構わんて!それにええことも聞けたし…(ボソッ」


『……え?』


「あああ、ほら!!俺ら絡み少ないしっ……、こんな話せて良かったなあ思て!////」



ああ、なるほど!!





謙也先輩、そんなことまで気にしてくれとったんや…!!


なんや相手にされやんし、私謙也先輩の中で影薄いんやて勝手に思っとった!←










謙也先輩……、














『謙也先輩!私、これからもっと先輩のこと大事にします!』


「ええ?!////」


『ΣΣめめめ迷惑でした?!!』


「いや、全然!!!!そ、そやな!俺も篠岡さんのこともっと大事にするわっ////」


『あ、はい!////』



うわっ なんか照れるな。




優しい上、こんなピュアな人だったとわ…!


喋らな分からんこともあるもんや!!




























――――――







『あ、気になってたんですけど。その「さん」付けいらないんで、呼び捨てしてくださいね!』


「お、おん!////」















ぴゅあああああ…

 
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