『浪速くん』
□第二章
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浪速くん 【第二章】
「優勝は………」
―ドドドドドドドド…
ドラムロール。
ついにその瞬間がやってきたのである。
―ドンッ!
「見事な夫婦漫才を見せてくれた、真輝くん、沙夜ちゃんペアや!!」
全校生徒からの拍手!拍手!拍手!
…あ、今自分らごっつ注目浴びてる?何や恥ずかしなってきた←
「や、やったで篠岡…!俺ら、ついに夫婦にっ…『ちゃうちゃうちゃうちゃうww』
「お二人さん、おめでとう!」
今回のお笑いコンテスト主催のテニス部、部長の白石さんから優勝のトロフィーが手渡される。
「ううっ…ありがとうございます!ホンマ嬉しいです!!」
今にも泣き崩れそうなマキマキの肩を支えてあげようとした、ら、あつく抱擁された。←
『…くっ、苦しい!マキマキ…』
「ありがとうな!これも篠岡のお陰や…!」
『あ、う……川…川が見え、る…?!』
「Σお、おい!真輝くん?!そろそろ放してあげやな、篠岡さん白目むいてもてるでっ!!」
「え?あっ…!すまん篠岡!!」
『ぐはっ!!ひぃーひぃー……』
あああああ危なく何ちゃらの川を渡るところだった、ありがとう、金髪の人。
マキマキは自分がアホみたいにデカイことを自覚したほうがいい。
「すまん、嬉しすぎてっ…」
くっ…なに可愛いこと言ってくれとるねん!
マキマキのくせに!ちょっとキュンとしたやないか!www
『……もう、あほぅ』
「あ!今のあほぅ///て可愛かった、もっかい言っt『///盛るなww』
こんなやり取りも慣れたもんである。←
「……自分らもしかして普段からそんな調子なん?」
あれ、デジャビュ…?
似たようなこと前にも言われたことある気がするw
「はい!普段から俺らは面白いです☆」
あ、前にもあった間違いない。←←
「それは嬉しい限りやな!四天テニス部マネージャーには面白い子をて思てたから。やっぱ、この大会開いて正解やったわー!」
………ん?
えーーと、……
「『………はい?』」
「これからヨロシク頼むで、マネージャー!」
「よろしゅうなー、姉ちゃん♪」
「しっかり仕事するんやで?……マネージャー(黒笑い」
財前くんがいつも以上に黒いオーラを身に纏っていた気がするが、それどころではなかった。
――――――
『……えーと、どういうことですか?』
「どういうことて…、君らは俺らテニス部の真誠なる審査によって、マネージャーに選ばれたっちゅう……………え?」
『……え?』
ふりーず
ああ、悪夢であってほしい。