『浪速くん』
□第八章
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浪速くん 【第八章】
「はい、バター♪」
パシャ
『いや、それを言うならチーズでしょwww』
「おおきに、オモロいメイドさん!それじゃ…」
『あ!お店の方も是非覗いてくださいねっ
他にも猫耳たくさんいますから!!!!』
「…??はい」←
学園祭1日目、昼。
お客さんの呼び込みしよ思て外に出てきたはええんやけど…
気づいたら私の前には撮影会の列が。
どうやら皆私の格好が珍しいらしい。
なるほど…、これがのりちゃんの言うてた猫耳の威力か…!!←?
篠岡沙夜、
只今、人生最大のモテ期を迎えております。
「はいはい、次俺の番な♪」
おっ、ついに最後の1人か!やっと解放される…!!
ほら、一回写真撮り始めたら断れん雰囲気になってしまって…
ドンドン人が集まってくるもんやから帰りづらくなるし、
なんやネズミーランドのミッ○ーさんの気持ちが今なら分かる気がした。←
「内側カメラでお願いします。(キリッ」
『………』
「?
それにしてもメイド姿可愛えなあ、沙夜ちゃん♪」
『……なんで白石さんが列に紛れてるんですか』
「んー??俺も沙夜ちゃんと写真撮ってもらお思t」
『いや、撮りませんよ?』
どっかで見たことあるイケメンや思たらうちの部長の白石さんでした。←
いやいや、なにをあたかも当たり前のように並んでるねん!!www
自然すぎて今の今まで気づかんかったわwwww
「Σええー!!なんでや、写真サービスするために列作っとったんやろ?!」
『違いますよ!!ww
……や、結果的にそんな感じになってましたけど…w』
別に写真のために出てきたんやないから!
お客さん呼び込むために出てきただけやから…!!
そこんとこ誤解せんとってほしい!←
『もう…、恥ずかしいんで帰ってください』
「あかん!俺はメイドな沙夜ちゃんとラブラブな写真撮って家族に自慢するんや…!!」
『Σなんですかその計画!?!!www
やめてくださいwご家族も反応に困りますからwww』
そんなことで一々喚かんとってくださいよ!!www
ただでさえさっきから注目浴びとって恥ずかしいんやから…!
言うかなんで白衣姿なんですか!?!!←
あれやろか、お化け屋敷の衣装なんやろか…
似合いすぎやろ…!?!!
ここまで白衣着こなす中学生なんて白石さんの他におるんやろか!www
さすが男前は違うな…
とりあえず先程から周りの女性陣が恨めしそうにこっち睨んできとるんで勘弁してください←←
「なんで俺だけダメなんやっっ、皆撮ってもろてたのにズルいわ(グスッ」
『いや、ダメなもんはダメなんでww
あーもー泣かんとってください…w』
大人っぽい見ために反して子どもっぽく駄々こねるのやめてもらえますかww
見てよ、周りのあの目!!
こんなん私がイジメてるみたいやないか…!
ええ加減気づいてーー!!wwww
「頼むわー、内カメで…」
『ダメです。』
「ほな、せめてピン写」
『ダメです。』
「冷たいなあ…」←
『wwwww
それにもう私休憩時間なんで、ここらへんで篠岡閉店ですw
白石さんも時間大丈夫ですか?』
「ん?ああ、大丈夫や。俺の代わりに謙也が…」
「ああー!!あんなところに…!!!!」
「『??』」
遠くから声が聞こえた思たら風の速さで私たちの目の前へ。
いや、さすがスピードスター!
今日もお勤めご苦労さまです!!←
「おお、お疲れー謙也」
「お疲れーやないわ!
いつまでほつき歩いとるねん白石!交代の時間やろ!!」
「あれ?もうそんな時間やったか」
「白々しいっちゅーねん…!!
どうせ俺と交代やからってわざと遅れていったろとか思てたやろ!」
「うわっ、バレとった!」
『wwww』
スピードスターにして浪速の名探偵ですか、貴方はwwww
バー○ーにも負けないくらいの名推理ですわw
「ああ、沙夜ちゃん…!ごめんな、また白石が迷惑かけてたんやないか?」
『あ、いえ…w』
「なんや謙也、そんな言い方したらまるで俺がいつも沙夜ちゃんに迷惑かけてるみたいやないか」
「かけとるやろ!いつもいつも要らんちょっかい出して…」
「可愛い後輩にちょっかい出すのは当たり前やろ?これも先輩の立派な仕事や(キリッ」
「やかましわ!お前のは度が過ぎるねん…!!
女の子なんやからもっと節度ある距離をやなあ…」
「なに言ってるねん、女の子やから愛でたいんやろ!」
「黙れ、たらし!!」
「たらしやないわ、へたれ!」
『ふふっ』
「「………」」
あ…
「なに、俺なんか変なこと言って…」
『あ、いえ、そうじゃなくて…
謙也さん心配しすぎですって、えへへ可笑しいなあ(ヘラッ』
「そ、〜〜////」
「……。
(……へえ)」
謙也さんが必死なってる姿が面白くてつい笑ってしまったw←
こういうとき自分は優しい先輩に恵まれてるなあて思うな、
いや、もちろん白石さんも優しいんやけどねww
「そや、謙也。お前も今から自由時間やろ
一緒に学祭まわってきたらどうや?沙夜ちゃんと」
「ん?ああ、そやな一緒に…
Σて、え!?ななななんで沙夜ちゃんと…!?!!」
『なになに?謙也さんの奢りやってー?!(棒)
やったー!ありがとうございますー♪』←
「ΣΣええ!?俺、そんなこと一言もっ…」
『うそうそ、冗談ですってーw
ええですよ、私謙也さんに迷惑かけたないんで』
「えっ」
「ん??なんや沙夜ちゃん、謙也にはえらい優しいな?」
『日頃の行いが違うんですわ、白石さん』←←
「えっと、ホンマにええの…?」
『??
ああ、気にせんとってください。私、てきとーにマキマキでも捕まえて回るんで…』
「そか…」
『?』
催促、になってしもたんやろか……?
奢ってほしいなんてからかいたくて言ってみたセリフやのに…
…気ぃ遣わせてしもたかな
――――――
『着替えあるんで、私は先に失礼しますね』
「おう、またな沙夜ちゃん
お化け屋敷で待ってるでー♪」
『二度と行きませんよ、あんな忌々しいところwwww←
ではまた』
「あ、待って沙夜ちゃん…!」
「(お……)」
『…??どうしました?』
「俺腹減ってるねんっ…
やから…その、
お、お好み焼き奢ってあげるわ!」
『??』
「(そうそう、
そこで引き止めな男やないて)」