キセキU
□15.
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今日はお父さんとお母さんの結婚記念日。
そりゃ今日くらい二人にさせてあげたいし、気の利く娘になりたい。
「…光、パウンドケーキとか好きかな。」
朝ごはんを食べながらふと思った。
善哉ならどれだけでも食べてるイメージあるけどケーキとかはなぁ
生クリームのせずに普通にスポンジだけでいいかな、いや、でも見栄え悪いかな。
でもよく思えば昨日あたし目の前でパンケーキ食べてたしな。
お昼ご飯でも作ろうかなぁ
よし、そうしよう!
あ、部屋も掃除しよ。
「お、終わった…!」
部屋もそれほど汚くなかったためかすぐに終わった。
お昼ご飯は結局沢山作っちゃったんだけどもうやることもないかな。
ピーンポーン
あ、グッドタイミング。
「はい」
『俺です。』
「今開けるね」
インターフォン越しで会話をして、鍵を開けた。
「相変わらずデカいマンションですね。高いし。」
窓から見下ろすように景色を眺める光。
「そんなことないよ。家具とか少ないからそう感じるだけだよ」
「ん?何です?この匂い」
「あ、お昼ご飯作ってたの。光、食べてきちゃった?」
「今日朝から何も食べてないんっスわ。ご馳走なってもええですか?」
どんなに大人びてても、こういうとこはまだまだ
可愛い後輩って感じだな。
「うん!張り切って作ったからたくさん食べてね!」
「はい。」
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