キセキU
□12.
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「うん、ごめんねユウジ。遅れて行くから。うん、うんわかった。気をつけるね。じゃ、後から」
パンケーキ専門店を出て、光に誰かに遅れるって言った方がいいと言われ、ユウジに言った。
けど、光の言い方だったら遅れるんじゃなくて行けないようなそんな気がした。
ユウジ、ごめん。
「公園でええですか?」
「あ、うん。」
公園か。
こういう重たい話の時は、あたしは大体公園でするな。
「美羽さん、そのネックレス気にいっとるんすか?」
「え?あ、うん。せっかくの貰い物だから。」
男ものであたしには似合わないけど。
「ソレは他人から貰ったもんやから違うもん買ってあげますわ」
「もらえないよ光!」
「俺が勝手に美羽さんにあげたいだけなんやから気にせんといてください。」
…光。
「そういうのは好きな子に言ってあげて。」
西にいる太陽の方を向いた。
もう少しで沈みそうだ。
「…美羽さんに言われんでも分かってます。」
「光の彼女か〜見たいな〜どんなひとなんだろう。想像つかない!」
あたしは多分ずるい。
あたしは知ってるから。
自分のことも、
これから何を言われるかも。
「美羽さん」
「…ん?」
冷や汗が首元を伝うのがわかった。
「隠してること、全部話してください。」
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