キセキ
□14.
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「…いらっしゃ「「「「「「きゃああああああぁぁああぁぁっ‼‼‼」」」」」」」
…え。
「いらっしゃい、子猫ちゃん達。楽しんでってね♫」
「「「はいっ!もちろんですぅっ」」」
…涼サン。
「これからも立海の応援よろしくね」
「「「はい!部長様ぁっ‼」」」
いや、部長!
あなたはそんなキャラじゃないでしょっ!
「あ、余ったら俺にくれよなっ」
「「「ブ、ブン太君…っ」」」
あの笑顔に何人倒れたことやら。
それにブン太なんてまだ試合にも出てない1年なのに何で皆さん知ってるんだろう。
「それだけ立海のテニス部は有名ってことでしょ。全国一位だしね」
「幸村君…」
それ、1年のあなたが言っちゃうんだ…。
あと心の声を読まれたのももうスルーしていいかな。
「で、どう?大人っぽいがテーマだから一応こんな感じだけど」
正直…
「皆、すっごくかっこいい…。あのブン太でさえもかっこよく見える。」
「ふふ。真田も良く似合ってるよ。」
それは褒めてるのか貶してるのかよく分からない口調だったけれどそれもまたスルーの方向で。
「でも美羽の男装もお似合いだけどね。さっきメアド聞かれてたよね。」
そう。
あたしは今、男装していて
それでなぜか男子だと思われてメアドを聞かれたんだ。
はぁ。
あたしは男子に生まれてくるべきだったのかな…。
「ってかさっきから思ってたんだけど美羽さ今日キャラ違くない?いつからツッコミになったんだい?」
「…男装だからはしゃいでるのかな…」
「そうかい」
そうか。
自分も始めての海原祭、浮かれてるんだ。
涼さんのこと何にも言えないや。
「後から劇やるんだろ?観に行くよ」
「や、遠慮しときます」
「ふふ。部長達皆で観に行くから大丈夫だよ」
「…最悪だ」
「最近強気になってきたね、美羽」
…その恐ろしい笑顔をあたしに向けないでください。
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