キセキU
□18.
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「は?」
「美羽は、強いように見えてとても脆い人間だし闇を抱えてる。好きな人に好きって言えないくらい臆病な子なの。」
「なっ…好きなやつ…おるんか」
「大阪では言えなかったのね。可哀想に、誰かが気づいてくれればよかったのに」
ごめん忍足君。
責めたいわけじゃないんだけど責めてしまう。
「美羽と連絡はとれんかったんか?」
「美羽は立海の誰とも連絡先を交換してないから」
「ほぉ〜ほんなら、あんたも俺と同じやん。美羽に信用されてない人間同士仲良くしようや」
…え?
「信用されてないって…」
「やって、そうやんか。美羽はあんたらに何も言わんで大阪きたんやろ?」
「そうだけど」
「俺は美羽が可哀想とは思わん。逆に俺が可哀想や。美羽は影のある美人やけどほんま何も言うてくれん。たったの2年の付き合いかもしれへんけどな、俺にとっては美羽は仲間以上の存在やねん。」
「…忍足君」
「謙也って呼んでええで?」
「よかったよ、美羽にそう言ってもらえるようなお友達がいて。」
「高梨は美羽のこと好きなんか?」
「うん、好きだね。けど付き合いたいとかそういう感情じゃないんだ、美羽のこと」
「え、そうなの?」
「だって俺好きな人いるし」
「はぁ?そんなこと一度も言ってくれなかったじゃない!」
「なんでお前に言わなきゃいけないんだよ」
別にいいけどさ。
「本題入るわ。美羽は立海であることがあって親の転勤と一緒に大阪に行ったの。」
「あること…?」
「それは本人から聞いて」
「美羽が俺に教えてくれるわけがないやん」
「そうだね、多分君に言うことはないと思う」
わお、高梨かなりストレートに言ったね。
しかもあっちは関西人だから「グサッ」とか言ってノリがいいし。
「…謙也くんならいいんじゃないかな?水野」
え。
てゆか、今謙也くんって言った?
「どうしたの高梨」
「この人悪い人じゃないっぽいし」
当たり前やろ!とギャーギャー言う忍足君。
まぁ見た目金髪なだけで多分どころじゃなく彼はヘタレだ。
「それに、美羽に信用されてない同士仲良くしたらどう?」
「…」
「せやなー、仲がいいからこそ言えんこともあると思うでー俺は」
「…わかった」
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