キセキU
□18.
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「で、どこ行くんや?」
明らかにニヤニヤした顔の金髪関西人があたしのことを見て聞いてきた。
き、きもい…!
「ここの店でも入ろうか。紅茶が美味しいらしいよ」
「え、ホテルやないんか?」
「あんたね、ちょっと空気読みなさいよ。あんたとヤるわけないでしょ!」
「は?」
「俺だって御免だねこんな女」
「あたしだって嫌よ」
「美羽だったらもうヤってんな」
「なっ……美羽やて⁈」
よし、やっと本題に入れそうね。
カランコロンと音をたててあたし達が入った店は立海からそう遠くない場所にある隠れ家的存在。
あたしと高梨と中田と集まる時によく使う店だ。
「あ、丸井から電話。高梨、金髪のこと案内してて」
「はいはい」
「ちょっ、俺は美羽のこと聞きたいんやけど…」
「忍足君、後からでいい?」
高梨のその言葉と目線で金髪は重たい足取りで席についた。
ああいう高梨ってあんまり見れないからレアだよ金髪。
よかったじゃん!
「もしもし」
『あ、水野?今どこだよ!忍足つれて早く戻ってこいこっち今大変なことになってて「ごめん丸井。あたしも金髪に話したいことがあるの。後から連れてくからもう少しだけ、お願い」…分かった。幸村君達に言っとく』
「ありがと丸井」
どうしても聞きたいことがあるの。
ごめん、丸井
ごめんね、蓮ちゃん。
「終わった?一応三人とも紅茶にしておいたけど」
「ありがと高梨。さて、金髪いや、忍足君。聞きたいことがあるの」
「俺もや」
「細谷美羽って知ってるよね?」
「美羽のことか。よぉ知ってんで。同じテニス部のマネージャーで同じクラスや。」
「そこまで繋がりがあったのか」
「昨日も話したわ。美羽は今まで会った女子ん中で一番美人や」
「それは美羽だな。俺もだし」
「さすがね美羽」
「で、美羽が何なん?俺に聞きたいことって何なん?」
先を急ぎたがる金髪。
だけどその前に、
「あなたは美羽の何を知っているの?」
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