キセキⅡ
□18.
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「ふぅ、やっと委員会の仕事が終わったよ」
部活に行ける時間が短くなってしまったな。
あ。
「今日も綺麗に咲いてるね君たち」
季節に合わせた花が目の前に並んで咲いている。
俺が育ててるんだけど。
「感心だね、真っ直ぐに育ってる」
そういえば急いでるんだった。
「あれ」
何かコートが騒がしい。
一体どうしたんだろうか。
「はぁ⁈いないだと？」
「もう少し前やったらおったんじゃがな」
「そうか。謙也達が行ったとこ分かるか？」
「それはわからん」
あれ、見たことある人たちがいる。
「どうかしたのかい？」
「あ、ぶちょー」
「跡部に忍足に白石じゃないか。今日はどうしたの？」
「実は、うちの謙也が家出してここに来たんや。そしたらここの生徒とどっか行ったらしいねん」
なるほど、事情は分かった。
けど、
「でもどうして跡部達がいるんだい？」
「謙也が青学か氷帝に行くって言うたからまず氷帝に来てみたんやけど、忍足クンのとこに謙也から連絡きとって立海におるってことが分かったんや」
「へぇ。どうして謙也君はここへ来たんだろうね」
「さぁ、あいつの考えは昔からよぉ分からんからな」
「誰かを捜しにきたんじゃねぇか？」
「誰かって誰だよ」
「…ジャッカル怖い」
「ちょっと冷静になってただけだ。すまんブン太」
「そういえば柳は？」
「参謀なら怖い顔で部室に行ったぜよ」
「へぇ、柳が。面白そうだね、何かあった？」
「愛しの女の子が浮気発言したんじゃよ。それで冷静さを失っとるんじゃ」
わお。
なかなか面白いじゃないか。
愛しの女の子って例の柳の幼馴染のことかな。
「しかも浮気相手が忍足だからな～」
お、ちょっとだけ場面が想像できたかも。
でもどうして柳の幼馴染は謙也君を誘ったんだろう。
何か理由があったのかな。
「まぁまぁ心配しなさんな。参謀は今夜ついにあの子に言うつもりじゃからな」
「報告楽しみにしとかないとね」
ついに柳がか。
楽しみだよ。
「あの子に連絡がつくのは誰かいる？」
「あ、俺分かるぜぃ！」
「とりあえず連絡してみてくれる？忍足も謙也君に連絡してみて。今日は色々あったみたいだから練習は中止、明日、倍にしてやろうね。土曜だし。」
ふふ、久しぶりに扱くことができそうだ。
それより気になることが多すぎる。
どうして謙也君はここへ来たのか、柳の幼馴染が何故謙也君を誘ったのか。
これはバラバラの理由なんだろうか。
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