キセキU

□16.
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何、顔が近いー…



光との距離がだんだん近くなってきて、


それで目が離せないー…





「携帯、鳴ってましたよ」



「う、え?ほんと?気づかなかった〜」



「部長からでしたけど」



「…蔵から?」




部長というワードを出した時の光の顔すごい。

一気に嫌な顔になってる。
本人は気づいているんだか。



「あ、ほんと。電話だ、何だったんだろ。」



「後からかけてください。」



「ふふ、いーよ。」



光可愛い。


そういえば前に謙也が熱弁してたっけ。



『美羽!!!知っとるか??光の可愛いさはな!あのツンデレがデレに変わる瞬間なんやで!!!!!光のツンデレはな!ツン98%、デレ2%で構成されとるんや。やからな、ペアの俺でさえデレを見られるんは貴重なこたなんやで分かるか?1年に2回見られるかどうかのデレは最高にかわええんや!女の子に告られるより光のデレを見た時の方がドキドキしてしまうねん!あ、断じてホモとかそんなんちゃうからな!いや〜見たいな〜俺、前に授業中に1年前の光のデレ思い出してな、一人で笑っとったんや。そしたら白石にほんま何やろ、この世のものとは思えん顔でドン引きされたんや。あの白石やで?無駄のないイケメン、パーフェクトボーイやで!!??けど、俺はその一瞬は落ち込んだんやけどな、光のデレでその落ち込みは無きものにしたんや!!さっすが光のデレ!美羽も見たいやろ?残念やなぁ〜ペアの俺だけやねん。ペアの俺だけの特権やで、あれは!』




と、言って鼻の下を伸ばしていた気がする。


ごめん謙也。
なんだかあの時は真剣に聞いてなかったからそんなに気にしてなかったけど、


すごく気持ちが悪かったような気がするのはなんでだろうか。




「顔が笑ってますけど。思い出し笑いですか?」


「あ、ごめんごめん。謙也のこと思い出してた。」



「ほー、謙也さんか。」



「その時の謙也がすごい面白かったんだけど〜」








それから話し出して、
3時間くらい喋ってた。




「じゃあ明日学校もあるんで帰りますわ」



「途中まで送るよ!」



「下まででええですよ」



「光、たまには先輩に甘えてよ」



「…はぁ。何言ってるんですか。女がこんな時間にうろちょろしとるんなんか問題ですよ。」



「下まで送らせてもらうね!」




彼の毒舌は校外でも健在だ。




エレベーターで下まで降りて、
1階に着いた。




「今日はありがと。」


「こちらこそ。お昼ご馳走になったんで今度何か奢りますわ」



「いやいや、いーよ!先輩なんだから!可愛い後輩の世話をするのも先輩の仕事だよ!」



「可愛い、後輩ねぇ」



「馬鹿にしてるわけじゃないよ?」




「ま、いつかそんなん言えんくなる日がきますよ。」



「えー、あたしにとっては光はずっと可愛い後輩だよ!」



「じゃあ善哉賭けます?」




「いいね〜って!あたし善哉よりもパフェの方が好きなんだけど!」



「じゃあ美羽さんが勝ったらパフェでいいですよ」



「やーった!」




「ほんま、単純な人なんかわからんくなりますわ。」



「いやいや、あたしだって色々考えてるんだからね〜」



「知ってますよ。じゃ、俺行きますわ。」



「うん!また明日学校でね!」




あたしの呼びかけには手を上げて応えてくれた。



光、本当にありがとう。


心の重みが少し軽くなったよ。





「蔵、ごめんね。」















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