キセキ

□06.
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数学の時間が終わり、昼休みに差し掛かった頃あたし達三人でご飯を食べていた時だった。





「白石君」



「ん?どないしたんや?」



「佳世が呼んでる。」



「かよ…ああ、原田さんか。分かった、ありがとな山口さん」



そんな会話を隣でしていて蔵がかよさんのところに行ってしまった。



「これだからモテ男は困るんや!友情も大事にせんかい!」



「蔵だって呼ばれただけじゃーん。蔵に罪はないと思うけど?」



「あいつには大罪がある。イケメン罪という名の罪や!」



「…謙也ってほんとヘタレだよね〜」


「なんでや!今の発言にヘタレ関係ないやろ‼」



別に謙也だってイケメンなんだけどな〜。




「細谷さん」



「坂田君。どうしたの?」



「あのさ、ここで言うのもなんだからちょっと場所変えたいんだけ「何でや坂田。ここでええやんか、それとも俺がおったらできん話なんか?俺らってそんな薄っぺらい仲やったんか?あー俺悲しいわ〜坂田にとっての俺ってイグアナ以下なんやろうか。」…分かったよ、ここで言うよ」



け、謙也…

坂田君が引いてるから…!





「あ、あんなぁ細谷さん…さ、三回目な、なんやけどな…ずっと忘れれんくて…「簡潔に話した方がええと思うけどな〜俺は」くっ…す、好きやねん!つ、付き合ってほしいんや…!」





「坂田もモノ好きやんなぁ〜三回も美羽に告るなんてなぁ〜」




「坂田君、隣の男ほんと目障りだよね。井戸に落としてきていいから」




「ちょ、美羽お前最近財前に似てこんかったか?その物騒な言葉遣いといいその目線といいとてもミス四天がする表情とは思えんけどな」



「今の謙也にはこの言葉が一番だと思って!」



「いや、なんやねんその今日一の笑顔!こんなとこで出すもんやないで⁈」




そう言いながらあたしの頭をくしゃくしゃとしてくる



「ちょ…っと謙也!髪ぐちゃぐちゃになる!」



「悪い子にはお仕置きが筋っちゅー話や!」




いやいや、意味分かりませんけど。




「謙也、お前美羽に何しとるん?」



「「…」」




「ん?いじめとるんか?」




「し、白石、あんなぁ…」



「今日は謙也だけに特別メニュー作らんといかんなぁ〜授業中に作ったるわ、謙也のためだけに」



とてもとてもこわい笑顔で蔵は謙也を脅していた。




「ほ、細谷さんっ!ぼ、僕の返事は…」



あ。



「坂田君ごめん。あたし今は恋愛とか考えられないから友達でいてくれる?」




「…そっか」





坂田君、ごめんなさい。


あの人の顔が思い出されるたびに胸が締め付けられるの。

そんな人と付き合ったりなんかしたくないでしょう?












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