キセキ
□06.
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「っしゃぁーっ!圧勝やぁーっ‼」
「謙也さん、うざい」
「なんやこのデジャヴ感…」
四天はストレートで優勝した。
全部の試合をラブゲームで終わらせ、D1、S1を出さずに終わった。
「あたしも試合したかったわぁ〜会場のみんなを笑かしたかったんやでぇ」
「そうやで光!お前さえ負ければ俺たちは出れたんや‼」
「勝ってしまったんや。悪く思わんといてください」
「憎たらしい後輩やなぁ」
「…ウザい」
ユウジと光のやりとりがおもしろくてつい笑ってしまう。
「っふふっ」
「やっと笑ったな、美羽」
…え?
「蔵?」
「あーもう。ほんま調子狂うわ!美羽が気になって試合の最中全然スピード出んかったんやで⁈」
「え、謙也速かったけど?」
「あ、あんなもんぜ、全力の力とちゃう!ちゃうんやからな!」
「謙也さんほんまダサいっスわ。素直に全力でやりましたって言えばええんに。何を強がってんねんや」
「財前お前表出ろや!いっぺんケリつけたるわ‼」
「もう時代はそんな時代とちゃいます。頭アホなったんですか、それとも最初からですか?」
「おいおいざいぜーん。謙也あんまいじめるんやないで。」
「しーらーいーしー!愛しとるわ!さすが親友やんなぁ〜」
「ただのクラスメイトやわ」
今、にっこりと笑顔で言ってるけどだいぶ謙也にダメージ刺さったと思う。
「2週間後には関西大会や。シード権は取ったし、関西のレベルなら勝てるのは分かっとる。けど、油断しとったら負ける。」
一気に部長の顔になった蔵を真剣に見つめるみんな。
もちろんあたしもだけど。
「油断大敵や。目標は全試合ラブゲーム。S1まで回すんやないで!」
「白石、俺らも試合出たいわ」
「分かっとる。ユウジと小春も出さんとな。」
「(…またS1なんやろうな。副部長なんやけど)」
そんな副部長の心の一言にも気づかずにあたし達は笑っていた。
みんな、おめでとう
関西大会も頑張ろうね!
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