Aries

□紅の欠片
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風鈴達はマミの家でごろごろしていた。いつしか魔女が現れるまではマミの家でお茶、が日常化していた。

「みんな、孵化しそうなグリーフシードがある。」
空いていた窓にキュウべえがあらわれ、言った。
「あら、それは大変だわ。場所は何処?」
マミがキュウべえに尋ねる。
「それが、分からないんだ」
「どういう事?」
話を聞いていたほむらがキュウべえの方を見る。
「多分、まだ孵化したてで発する
魔力も弱いからソウルジェムでも感知は難しいと思う。」
キュウべえは窓からおり、部屋に入る。

「じゃあ、そのグリーフシードの感知は風鈴さんにお願いしましょうか」
「分かりました。マミさん」
そういうと風鈴は首にかけていたネックレスを外し、手首に二回ほど巻きつけ余った部分を手首の下に垂らす。

「風鈴、君は本当に多彩な魔法少女だね。ソウルジェムで
も感知出来ない魔力を感知するなんて。まあ、君がまどかの次に魔力の強い魔法少女だからという理由もあると思うけど。」
キュウべえがマミさんの横でケーキを食べながらいう。

風鈴はいつもつけている
ネックレスを使う事でダウジングをし、キュウべえが微かに感じた魔力のあたりでグリーフシードがないか探す。

「あれ?すぐそこのビルのうら。」ダウジングを終えた風鈴はグリーフシードの
位置をみんなに告げる。
「でも、まだ孵化はしないみたい。あと、一時間弱ってとこかな」風鈴はネックレスを掛け直そうとした。

「それ程孵化まで時間があるなら少しいいかしら」
マミがそれを阻止した。
「前に始めて貴方のダウジングを見たときに私、そのネックレスについてる石について聞いたわよね。その時貴方は「天然石」と答えたけれど、天然石にしては綺麗すぎるし、それにいくら天然石がパワーストーンと呼ばれていたっ
て魔力を込める事は難しいと思うの。」

「僕も前からそれは思っていたんだ。風鈴。実はその石は、誰かのソウルジェムじゃないのかい?」

キュウべえ、そしてほむら以外の人間が目を見開く。
「お、おい。だったらそれ…
あたしのソウルジェムじゃないのか!」今まで寝転んでいた杏子がガバッと起き上がり勢いよく言った。

風鈴は一息ついてから、
「そうだよ。これは杏子のソウルジェムの欠片を集めて作った一つの石。」

「で、でも杏子ちゃんのソウルジェムはみんなのと一緒だよ」
まどかが不安そうな顔して言った。

それから風鈴はいった。
「これはね、ある時間軸の杏子のソウルジェムの欠片なの」

「べ、別の時間軸って…
あんたはほむらじゃあるまいし」
さやかは少々驚いた顔つきで言う。
「あたしね、 ほむらちゃんと一緒に、時間遡行をしてるんだ。」
風鈴はいった。
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