Aries

□焔の時計と桃色の光
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破壊された街と紫色の雨。
遠くの空で笑っている大きな歯車のついた魔女。

彼女は言った。
「キュゥべえに騙される前の馬鹿な私を…助けてあげてくれないかな?」


あの時、そう彼女に頼まれたんだ。私のたった一人の友達。
だから、貴方を絶対に魔法少女にはさせない。たとえ、どんな犠牲を払ったとしても…


……「私がキュゥべえと契約したら、さやかちゃんの身体を元に戻せるのかな。」
「造作もないだろうね
君にとってそれは魂を差し出すのに足るものなのかい?」
「…うん。さやかちゃんの為なら、いいよ。
わたし魔法少女に」
パァン!!と、聞き慣れない強く、乾いた音が響いた。
その瞬間、ついさっきまで会話をしていた白い獣が粉々になった。
「ひっ」っと小さな悲鳴をあげた。目の前には、魔法少女姿で拳銃をもった、ほむらちゃんがいた。


「あ…ひ、ひどいよ…なにも殺さなくても」
彼女が怯えた目で私を見る。
私はMベレッタ92を投げ捨て、彼女に歩みよる。
もう、我慢の限界だ。
涙を流しながら、私は彼女の肩を強くつかんだ。

「あなたは…ッ!
もういい加減にしてよ!
勝手に自分を粗末にしないで!
あなたを失えば悲しむ人がいるってどうして気付かないの?
あなたを守ろうとしてた人はどうなるの!?」

感情が爆発した。
その後彼女は「さやかを探す」と言って行ってしまった。
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