あなたはわたしが守ると、言ったのに………
わたしはまた守られて……
わたしは………あなたを守れなかった。
「ロックオン……」
わたしはまた、あなたと話をしたこの宇宙を臨む場所に立っている。
でも
もうあなたが声をかけてくれることはなくなってしまった。
「………っ……………くっ………ああッ」
ダンッ――――――ダンッ、ダンッ!!
何度も何度も、目の前のガラスを叩いた。
悔しい………悔しい……………苦しい!
あなたがいなくなった世界は、こんなにも空虚になるのか。
あなたはわたしが戦ってきた意義すら変えてしまっていたのか。
あなたはわたしの中で、こんなにも大きな存在になっていたのか。
「ロックオン!ロックオン!………ロックオンッ!!!!」
これから、どうすればいい?
「ああっ……うっ、くっ、あああああッ!」
これからどう戦えばいい?
これから、どう生きていけばいい?
こんなに泣き崩れても…………あなたはもう何も応えてくれないのか。
「ロックオン……………わたしは…………もう……っ」
―――――――『ティエリア』
「!!」
涙を…………拭われた気がした。
「ああ………ロックオン………」
顔を上げれば…………いつもの彼がいた。
わたしを見て、微笑んでいる。
「生きて………たっ……」
腕を伸ばして、彼を抱き締める。
誰かを求めたことなんて初めてだった。
きっとこの人が、最初で最後。
「ロックオン………もう、どこにもいかないで……」
心が感じたままの想いを、彼に伝える。
だがわたしを見つめたロックオンは、哀しそうに微笑んだ。
「ロックオン?」
『もう………泣くなよ。ティエリア』
そう言って、もう一度涙を拭ってくれる。
わたしは彼が拭い終わるのを待ってから、応えた。
「あなたが…………そばにいてくれるなら」
一瞬、彼が困ったような表情を見せた。
でもまたすぐに微笑んで、
その綺麗な顔を…………わたしに近づけた。
わたしは彼にまかせるままに
そっと、目を閉じた――――――――。
でも、彼の唇がわたしに重なることはなかった。
「ロックオン………?」
目を開ければ、そこにはここに来たときと変わらぬ、真っ暗な宇宙が広がっていた。
「……………」
ああ。
これが、現実なんだ。
わたしは……やはり彼のいない世界を、生きていかなければならなくなったのだ。
「泣くななんて………無理だよ」
自分でも驚くほど、その声は弱々しかった。
きっと……わたしはこれから幾度となく、泣いてしまうだろう。
懺悔と後悔を繰り返して
拭えない悲しみと共に生きていく…
希望もなく、
未来もなく、
真っ暗な、世界。
ただ……
最後に、あなたがわたしのもとへ来てくれたことが
唯一の救いだった――――――。
end
結局ロクティエ書いてしまいました(苦笑)
いやもう、ダメです。あんな展開になると。爆発です。
ロックオン〜〜…泣
ティエリアの一人称はこのとき「わたし」だったので統一しました。