オリジナル

□雷の日は
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ゴロゴロゴロと、遠くで雷独特の音が耳に届く。
外は昼間だと言うのに薄暗く、空が光るのを確認出来た。

史津は、パラパラと歴史の本を流し読みしながら、偶に窓の外を見た。
ピカッと、また空が光る。
今のは結構明るい、大きい音が来るかも知れない。

思った通り、ドゴォッと雷が落ちる音がする。
それと同時に、瑛が部屋に駆け込んで来た。

「どうした?瑛。」

「雷が怖くって……、暫く此処に居させて?」

「別にいいけど。」

了承を得ると、瑛はいそいそと史津の隣に座る。
そして、歴史の本を覗き込んだ。
細かい字と写真が載っている。
見ていて、頭が痛くなった。

(そんな本よく読めるね。)

(慣れだよ、慣れ)




end
 

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