オリジナル
□頼むから寝かせて!
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ああ、もう無理……。
ーーーー。
うーっと唸りながら、史津は布団の中に潜る。
先程から寒気が止まらない、喉が痛い、咳が出る、吐き気がある。
これは、間違いなく……風邪だ。
「最悪だー、最悪な時期に風邪ひいたー。」
来週期末テストじゃねーか、最悪だー。
今回の社会、かなり骨が折れるというのに……。
勉強も授業にも出れねーじゃねーか。
風邪をひいてるせいか、口調がいつもより荒い。
とりあえず、今日は土曜日で休みだし寝ていよう。
そう思い、史津はベッドに潜り目を瞑る。
それから数十分後。
部屋の扉がノックされる音がする。
誰だと思いながら、扉を開けると理瀬椰がいた。
「どうしたの?」
「頼む!社会教えてくれ!!」
パンッと手を合わせ、理瀬椰は頼み込む。
この男、人が風邪ひいてると気付いてないな。
「無理、他を当たって、じゃっ。」
「えー!!」
バタンと扉を閉め、理瀬椰を閉め出す。
ドンドンと扉を叩く音がし、枕を扉に向かって投げてやる。
音は止み、人が遠ざかる気配がした。
「やっと行ったか。さて、もう一眠りしよう……。」
誰にも起こされない位、ぐっすりと寝てやるんだから。
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