オリジナル

□夏の夜に花火
1ページ/2ページ


「花火やろう、花火!」

そう言ってきた瑛の腕には、花火セット。
それを聞いた史津は「やろう、やろう!」と賛成した。

今日は天気もいいし、風も穏やか。
絶好の花火日和だ。

はしゃぐ二人の脇で、理瀬椰は面倒くさそうな顔をする。

この年になって、花火か。

とか思う彼だが、いい年して実験や科学工夫作品に没頭している。

花火も実験も、そんなに変わらないだろう。

「理瀬椰もやるだろう?」

史津が聞くと、理瀬椰はパスと言ってきた。

「俺は、これから実験するから。」

「じゃあ、花火の実験しなよ。線香花火はどうすると長く続くとか。」

「刺激与えると、落ちるよね。」

瑛がのんびりと言う。
三人で話をしていると、朱騎が部屋に入ってきた。

「あっ、ねえ朱騎!一緒に花火やらない?」

瑛が聞く。
朱騎は、瑛が持っている花火セットを見た。

「花火?丁度暇だしやろうかな。」

「朱騎もやるって、理瀬椰もやるよね?」

朱騎の話を聞いた史津が、ニッコリと笑みを浮かべながら理瀬椰に言う。

理瀬椰はうーんと悩んだ。

「無理に誘っちゃダメだよ史津。理瀬椰は、花火が怖いんだから。」

「怖くねー!!」





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ