オリジナル
□夏の夜に花火
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「花火やろう、花火!」
そう言ってきた瑛の腕には、花火セット。
それを聞いた史津は「やろう、やろう!」と賛成した。
今日は天気もいいし、風も穏やか。
絶好の花火日和だ。
はしゃぐ二人の脇で、理瀬椰は面倒くさそうな顔をする。
この年になって、花火か。
とか思う彼だが、いい年して実験や科学工夫作品に没頭している。
花火も実験も、そんなに変わらないだろう。
「理瀬椰もやるだろう?」
史津が聞くと、理瀬椰はパスと言ってきた。
「俺は、これから実験するから。」
「じゃあ、花火の実験しなよ。線香花火はどうすると長く続くとか。」
「刺激与えると、落ちるよね。」
瑛がのんびりと言う。
三人で話をしていると、朱騎が部屋に入ってきた。
「あっ、ねえ朱騎!一緒に花火やらない?」
瑛が聞く。
朱騎は、瑛が持っている花火セットを見た。
「花火?丁度暇だしやろうかな。」
「朱騎もやるって、理瀬椰もやるよね?」
朱騎の話を聞いた史津が、ニッコリと笑みを浮かべながら理瀬椰に言う。
理瀬椰はうーんと悩んだ。
「無理に誘っちゃダメだよ史津。理瀬椰は、花火が怖いんだから。」
「怖くねー!!」
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