オリジナル

□珍しい彼
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期末テストが返された。

全教科やったテスト。

理瀬椰は、理科のテストで96点を取った。

まっ、こんなもんだろうと思う。

さて、社会の点数にうるさい史津は何点を取ったのか。

79以下だと、日本海に身投げをしようとする彼。
それを止めるのは、いつも理瀬椰だった。

「史津ー、社会何点だった?」

理瀬椰に呼ばれた史津は、答案用紙から目を離し理瀬椰を見る。

淡々とした口調で、彼は言った。

「78だけど。」

「え?」

78……日本海に身投げをする点数ではないか。
この前79を取った時も、暴れに暴れ、何故か自分は殴られた。
(それは、理瀬椰が余計な事を言ったから。)

史津の様子を見て、理瀬椰はうん?と、首を傾げる。

あのプライドの高い史津が暴れない。
それ以前に、愚痴らない。

何故だ?

「78で、やけに冷静だな……お前。」

「だって……政治の問題難しいし、興味ないもん。」

今回の社会は確かに政治が多めだったが、社会好きがそんなこと言っていいのか。

そうか、史津は社会好きでも歴史が好きなのか。
じゃあ、歴史で79以下を取ると、身投げするんだな。

よーく、覚えておこう。




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