オリジナル
□人生で一回はやりたいこと
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人は誰もが、人生に一度でいいからやってみたいことがある。
それは彼らも、同じだった。
「あー!怜珠ー!君何してんのー!?」
「何って、ロールケーキを丸ごと一つ食べてる途中だよ、瑛。」
怜珠は真顔で、そう瑛に言う。
瑛は「ズルいー!」と声をあげた。
「ロールケーキ丸ごと一つ食べるのが、僕の夢なのにー!」
瑛はロールケーキを丸ごと食べたことがない。
それは夢であり、瑛のやりたいことだった。
それを聞きつつ、怜珠はロールケーキを食べ続けながら「そうなんだ。」と返した。
「そう言いながら、ロールケーキ食べるなー!嫌みかー!」
いつもは天然、バカまっしぐらの瑛が怜珠に突っ込む。
珍しい光景だ。
怜珠は見せつけるように、ロールケーキを食べ続ける。
瑛が口を開こうとした時、口を挟む奴がいた。
「瑛が突っ込むなんて珍しいな。怜珠何し……あーっ!ロールケーキ!!」
口を挟んだ理瀬椰が、怜珠がロールケーキを食べてる姿を見る。
理瀬椰から、黒いオーラが流れ出した。
「ロールケーキを丸ごと一つ食べるのが、俺の夢なのに……っ!怜珠ー…抜け駆けか!?嫌がらせかーっ!?」
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