オリジナル
□英単のある朝
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朝登校して来ると、瑛は英語の辞書とにらめっこをした。
今日は、英単語のテスト。
選択問題といえど、今回の範囲はかなり難しい単語だらけだ。
熟語は反則だろうと、心の中で思う。
中間や期末は赤点ばかりだが、この英単語テストは点をとれるのだ。
どんなに難しくても、32点は取れた。
実際に、前のテストがそうだった。
瑛が頑張って勉強をしていると、史津が話しかけてきた。
「おはよう、瑛。偉いね勉強して。」
「そんな事ないよ、史津だって勉強してるじゃないか。」
史津の手には、同じ英語の辞書がある。
ご丁寧に、範囲のページにしおりを挟んでいた。
「見た目は勉強してるみたいだけど、実際やってないよ。」
「でも、やってそうな雰囲気あるよ。」
「見た目だけ、見た目だけ。」
クスクスと、史津は笑みを零す。
瑛もつられて、笑った。
テスト開始まであと10分という時に、朱騎と理瀬椰が教室に入って来る。
理瀬椰は眠たそうな顔をし、朱騎は辞書を睨んでいた。
「おはよう、理瀬椰。眠そうだね。」
「ゲームやってて、4時半まで起きてた。」
「バカだろお前。」
史津が絶対零度の目をして言った。
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