Short novel
□恋は戦争
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放課後の教室で、俺は一人窓際の席に座り、ただボーっと窓の外を眺めていた。
窓の外では俺の心を写したかのように空が灰色の雲で覆われ、まるでモノクロの世界のようだ。
時々垣間見る日差しは陰っていて、夕暮方には空の色が変わっていた。
ー…あぁ、俺の世界が滲んでいく…ー
ずっと人を好きになることは幸せなことばかりだと思っていた。
でも、現実は違っていて…
どんなに背伸びしてみても、君の視界には入らない。
それでも君を“好きでいれるのか?”なんて…
答えなんて考えるまでもないんだ。
けど、どうしたら?どうすれば?
馬鹿だな…俺って!
始めるんだ、これは戦争
手段なんて選んでいられない。
戦うんだ、君の心を撃て
俺の想い思い知らさせてやる。
追撃用意、戦況は未だ不利だけど…
恋は盲目だって言われたってもうかまわない。
君の心奪ってみせる!
こんなことを考えながら、俺はいつの間にか寝てしまっていたらしい。
俺を起こしたのは、俺が焦がれてやまない彼女だった…
(君のキスで目覚める夢を見た。こんなこと絶対に君には言えないけどね)
→アトガキ