最強夫婦の物語
□第9話:襲来! 天災兎
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―――篠ノ之束の乱
5年前、麻帆良学園女子高等部に在学していた女生徒、篠ノ之束が引き起こした、麻帆良学園都市史上例を見ない大事件である。
学園のセキュリティが全てカットされ、実に半日もの間、学園は外的からの脅威にさらされたのだ。
そしてその犯人は、麻帆良中のテレビをジャックし、堂々と名乗りを上げている。
『麻帆良はこの天才、篠ノ之束さんが乗っ取った!!』
その天才の関係者はと言うと、その放送を見て唖然としていた。
麻帆良を震撼させた大事件であるにも関わらず、一切の死者を出していない。
侵入者や襲撃者は何故か現れなかったが、学園都市のセキュリティが万全でない事が露呈するなど、恥を晒す結果となってしまった。
………まったくの被害者を出さなかった事にこそ、彼女の恐ろしさを垣間見る事が出来る。
なお、事件の鎮圧に協力した一般教師にして、この事件の最大の被害者でもある神崎玖楼に対し、彼女は「予行練習」と語っている(「何のための予行練習なんだ」と、強化合宿で麻帆良から出ていたため、幸運にも事件に巻き込まれずに済んだ彼女の妹は、後日頭を抱えていた)。
ちなみに事件後、神崎教諭の妻である瑪瑙夫人はこう語っている。
―――あの兎はいずれ殺す、と。