最強夫婦の物語

□第4話:来訪の裏側で
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変なガキ。


私のネギ・スプリングフィールドに対する第一印象はそれだった。


いいんちょの話によると、外国のオックスフォードっていう大学を飛び級で卒業したみたいだけど………なんか変。


そもそも、オックスフォードって何? どこにある大学?


………まぁ、朝方「ドギツイ失恋の相」が出てるって言われた時はショックだったわよ。


でも子供の言う事だし、きちんと謝ってくれたし、これで根に持ってたら私がバカみたいじゃない。




「いや、アスナは立派にバカレッド」


「ふんっ!!」


「ふべろっ!?」




余計な事を言おうとした朝倉は、右腕のドギツイ一撃をぶつけてやった。


そ、そりゃあ………アルバイトに熱中しすぎて成績は良くないのは事実だけど。




「はぁ〜………」




失恋の相が出てる。それも年上のダンディなおじさんに。


………これって、間違いなく高畑先生じゃん。


私は占いなんて信じないけど、あれだけ言われたら………ねぇ?




(………あれ? 私って何で高畑先生の事が好きだったんだっけ?)




これまで考えた事が無かったけど、高畑先生の事を好きになったきっかけが分からない。


確かに、両親のいない私の面倒を見てくれた人だけど………正直、出張ばかりで好きになるような要因すら見あたらない(最初、煙草が嫌いだったのは覚えてる)。


あれでも、煙草吸ってって言ってたような気もするし………。


うーんとどうにか昔の事を思い出そうとしていた時、ふと視界に本屋ちゃんとネギの姿が飛び込んで来た。


ネギが凄い速さで、階段から落ちかけていた本屋ちゃんの手を掴み、階段の上へと引っ張り上げている。うわ、今の何? 武術? 魔法? 超能力?




「………………あれ?」




今、よく分からなかったけど………高畑先生っぽい人が近くにいたような。


でも、高畑先生なら今の本屋ちゃん達をほっとかないだろうし、気のせいかな。
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